3月3日は桃の節句のひな祭り。家族で、またお友だちを招いて、ひな祭りパーティーを楽しみませんか。ひな祭りのテーブルを女子が大好きなピンク×ピンク! でセッティング。おしゃれでかわいい桃型のお菓子と華やかな桃色のフラワーアレンジで彩る“ピンク×ピンク!”のテーブルコーディネートを海野美規さんに教わります。

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紅茶やクッキーの缶は「落とし」を入れれば立派な花器に

ひな祭りフラワーアレンジ

ひな祭りの花といえば、桃。桃の咲く頃の節句であることから、また桃には百歳(ももとせ)まで生きられるようにという不老長寿の願いが込められ、邪気を祓う力があるとされていることから、ひな祭りの花とされています。桃に守られて、女の子が健やかに成長するようにという願いが込められているのですね。今回は定番の桃以外で、テーブルにアレンジしやすい草丈で、ピンク色の花を集めてアレンジしてみました。

スイーツには、見た目も可愛くお祝い事にピッタリな「壽桃(ショウタオ)」(桃饅頭)をどうぞ。

アレンジメントの作り方

<使った花>

ひな祭りのフラワーアレンジ花材

・ストック(スプレータイプ) 1本
・チューリップ 4本
・スイートピー 5本
・エンドウ 1本

ストックは、スプレータイプのものがオススメです。スプレータイプの花は1本につき、3~4本に枝分かれしているので、枝ごとにカットして使うことができます。小さなアレンジにする場合には、分けて使うと花つきのボリュームもほどよく調整できて、使いやすいのです。

<使った器>

紅茶缶

今回はお気に入りのお菓子の缶や紅茶の缶をアレンジメントの器にしました。中にプラスチックのカップなどを入れれば、立派な花器になります。

<手順>

  1. 器に合わせて長さをだいたい揃える。花の高さは器の1~1.5倍くらいに。
  2. 水に入る部分の葉を取り除く。
  3. 缶の中にプラスチックのカップなど「落とし」を入れて水を入れる。
  4. エンドウの枝を、器の周りに入れる。
  5. ストックを垂直に入れていく。
    フラワーアレンジの作り方
  6. チューリップ、スイートピーも同じように垂直に入れる。
ひな祭りのフラワーアレンジ

はじめは花がとまりにくいのですが、本数が増えていくととまるようになります。

ひな祭りフラワーアレンジ

<ピンク色のクッキー缶に>

クッキー缶のフラワーアレンジ

こちらの缶は、Bengawan Solo(ブンガワン・ソロ)という、私が以前暮らしていたシンガポールで人気のある、郷土菓子を扱う老舗店のクッキー缶です。チャンギ国際空港をはじめ、島内に40店舗以上あります。シンガポールに旅行された方は、きっと見かけたことがあるのではないでしょうか。

お土産として人気があるのは、カラフルな色の八角形の缶に入ったクッキーです。クッキーもおいしいのですが、なんといってもカラフルな色と、アジアンテイストの花柄の缶が目を引きます。この缶は、ピンクの他、グリーン、赤、オレンジ、黄色、黒など色とりどりです。私もいくつか持っていて、花を活けたら似合いそう! と思い、取っておきました。

クッキー缶のアレンジメント

創業者がインドネシア人女性と聞き、この花柄は、バティックやジャワ更紗などに描かれている花模様をイメージしてデザインされているのかな、と想像しました。とてもきれいな缶です。

<ピンクの紅茶の缶に>

紅茶缶のフラワーアレンジ

シンガポールの紅茶といえば、TWG。創業は2008年のことです。ちょうど私がシンガポールに住み始めた頃で、シンガポール市内にサロン・ド・テやショップが展開され始めていました。駐在中に、あっという間にたくさんの店舗がオープンし、今やすっかりシンガポールの紅茶専門店として人気ブランドとなっています。

こちらがTWGの紅茶缶。これは一番小さな缶です。小さな花をちょっと活けるのにちょうどいいサイズです。優しいピンク色なので、可愛らしい春の花がぴったり。ストックと、エンドウのつるをアレンジしました。

桃の節句の起源

ひな祭りのお雛様
ziggy_mars/Shutterstock.com

平安時代の中期、3月の初めの巳の日に無病息災を願うお祓いをしていた上巳の節句が始まりとされています。そしてそれが小さな子どもを災いから守りたいという願いになり、江戸時代には、3月3日を上巳の節句と定め、ひな人形を飾る女の子の日と決めたとのことです。

中国では上巳の節句には、桃の花を愛で、桃の花を漬けたお酒を飲み、桃の葉が入ったお風呂に入って邪気祓いを行っていました。また旧暦の3月3日はちょうど桃の花が咲く頃だったことから、ひな祭りに桃の花が飾られるようになったようです。

桃は吉祥文

モモの花
chinasong/Shutterstock.com

桃は中国の伝説に由来して吉祥文となりました。古代、桃は邪気を祓う力を持つ霊木とされ、桃の木で作った弓や桃の枝で悪霊悪鬼を祓う風習があったといいます。日本に伝わって、同じように鬼祓いに桃弓や桃枝が用いられました。鬼退治に行くのが「桃太郎」なのも、そんなところから。

また、「西王母伝説」というのがあります。仙女・西王母が棲む地に桃の木があり、三千年に一度実がなります。この実を食べると不老不死でいられることから、西王母は漢の武帝にこの桃を贈ったという伝説です。ということから桃、ことに桃の実は吉祥文となりました。

シンガポールで見かけた伝統的な茶器などには、桃の実が描かれているものが多くありました。これもまた、長寿を表す吉祥図案だからと聞きました。

ひな祭りにぴったりのおしゃれなお祝いスイーツ「壽桃(ショウタオ)」

モモの形のスイーツ 壽桃(ショウタオ

桃の形をしたお饅頭の「壽桃」は、中国で誕生日のお祝いの時に食べられてきました。「桃包」(タオパオ)ともいいます。シンガポールでは、そのままズバリ「Birthday Bun」という名前で中華レストランのメニューにありました。

不老長寿で邪気払いの「桃」を形にしたお饅頭は、昔から愛されてきたお菓子なのだそうです。今ではたくさんの美しいケーキなどがありますが、この愛らしい桃の形のお饅頭は、いつの時代もほっこり幸せな気持ちにさせてくれるお菓子だなと思います。

今年のひな祭りのテーブルにホカホカの壽桃はいかがでしょうか。

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Credit

アレンジ作成・写真・文/海野美規(Unno Miki)
パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
http://www.annegarden.jp

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