ハーブの爽やかな香りをいい香りだな~と思ったり、ハーブティーを飲んでホッとしたり…。そんな行動も「ガーデンセラピー」の一種だということをご存じでしょうか?
ガーデンセラピーは、園芸療法・食事療法・芸術療法・芳香療法・森林療法・動物療法の6つから成り立つ、動植物から得られる自然療法の総称。いろいろな療法が絡み合って、相乗効果がもたらされます。
今回は、ハーブを使ったガーデンセラピーを実践することでもたらされる効果・効能・作用について、ご紹介します。

Print Friendly, PDF & Email

ハーブとガーデンセラピーの関係は?

人ははるか昔から、植物を生活の中に取り入れ、役立ててきた歴史を持ち、植物のチカラで傷を治したり、病気を予防してきました。その主役が「ハーブ」と呼ばれる植物たちです。

以前は、経験や言い伝えなどで伝承されてきたハーブの効能ですが、科学の進歩に伴い、爽やかな香りが心身を癒したりバランスを整えるなど、ハーブの働きに関する事実やその理由が明らかになってきたのです。ハーブには、フラボノイド、タンニン、ビタミン類、ミネラルなど、健康や美容に役立つさまざまな成分が含まれていて、私たちの健康維持につながることも分かってきました。

そんなハーブを自分で育てて、生活の中に取り入れることで、健康を維持・促進しよう! というのが、「ガーデンセラピー」です。ハーブは、ガーデンセラピーを実践するのにとても大切な役割を持つ植物。育てて楽しむだけにとどまらず、収穫し、食べたり飲んだりと、暮らしに役立てることができる点が最大のメリットですね。

園芸療法と食事療法について

土に触れ、太陽の光を浴びながらハーブや野菜を育てることは“園芸療法”に、自分たちで育てたハーブや野菜を食べることは“食事療法”に当たります。

園芸療法は、第二次世界大戦の後にアメリカなどで始まったセラピーの手段で、心や体を病んだ人たちのリハビリテーションとして、草花や野菜を育てることで心身のケアをしようというものです。

園芸療法は何となくイメージが浮かびやすいかと思います。一方、食事療法というと、塩分の量や一日当たりの栄養のバランスを整える…といったことがまず思い浮かぶかもしれませんが、ガーデンセラピーにおける食事療法とは、自分で野菜やハーブを育てて、食べたり飲んだりすることで健康の維持・促進を目指すもの。これは、家族全員で協力しながら、楽しんでいただくのがコツです!

野菜嫌いなお子さんが、「自分で作ったものだから」と食べられるようになることも珍しいことではありませんし、一緒にハーブを収穫してお茶にすることで、庭が学習の場にもなりますね。また、高齢になり食欲が落ちた方にもオススメの療法です。

 ハーブ一鉢からガーデンセラピーを始めましょう

これまでは、園芸療法や食事療法は、それぞれ単体のセラピーとしてとらえられていましたが、ガーデンセラピーは、さまざまな植物を介した療法が絡み合うことで生まれる相乗効果に着目したもので、お庭全体を活用して健康づくりに役立てようという取り組みをさします。

例えば、お庭でパセリを育てて食べることも、ガーデンセラピーにつながります。

添え物だと思われているパセリも立派なハーブです! ビタミンやミネラルが豊富に含まれているんですよ。パセリには、βカロテンが100gあたり7,400㎍、ビタミンCが120㎎も含まれているので、美肌効果だけでなく、動脈硬化の予防にも繋がりますし、パセリの中のピネンやアピオールという物質や葉緑素には、口臭を抑える作用も。食事の最後に食べるのがオススメですよ。

また、パセリは丈夫で、日当たりさえ確保できれば、初心者さんでも簡単に栽培できます。お庭がない場合でも、プランター(鉢植え)で十分育ちますので、まずは一鉢から、ガーデンセラピーにチャレンジしてみてくださいね。

幸せホルモン「オキシトシン」

私自身、自分で育てたハーブや野菜を食べることを実践してから、植物や人のありがたさ、また一回一回の食事の大切さや、満足感を感じられるようになりました。もちろん、慌ただしい日々の中では、すべての食事で実践できるわけではありませんが、「おいしいね」「うちで採れた野菜だよ」「楽しいね」などと会話したり、笑い合う時間が、すごく贅沢で幸せな時間だということに気づかせてもらえた気がしています。ハーブや野菜を毎日摂ったり、お料理をしたりするのは難しい…という方は、ハーブティーもオススメです。

このガーデンセラピーを実践している時、脳では何が起こっているかというと、幸せホルモンの“オキシトシン”が出ています。オキシトシンは幸福感、高揚感を司るホルモンで、別名「幸福ホルモン」「愛情ホルモン」と呼ばれています。気持ちが前向きになる、ストレスを緩和する、怒りや敵意を抑える、社交性をアップさせるなど、気持ちをポジティブにしてくれる作用もあると言われています。ぜひ週1~2日から、無理せずにガーデンセラピーを実践してみてくださいね。

<注意点>

自然の恵みが詰まったハーブですが、妊娠中・授乳中の方、治療中の病気がある方、体質等の心配がある方は、使用できない種類もあります。使用する前に、かかりつけの医師にご相談ください。

また、ハーブは薬ではありません。健康状態が気になる方も医師にご相談ください。

併せて読みたい

簡単! ローズマリーリースの作り方〜 ガーデンセラピー実践レシピ 〜
効能から見る! リフレッシュしたい時&美容のためのハーブ
いつもの料理にハーブをプラス! ハーブトマトソースをつくろう

Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)

花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。

生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/

Print Friendly, PDF & Email