スイスに本拠地を置く化粧品・医薬品メーカー、ヴェレダ(WELEDA)。オーガニックコスメのパイオニアとして、自然由来の成分からなる、フェイスケアやボディケアなどさまざまな製品を販売し、日本でもショップを展開するなど高い人気があります。そんなヴェレダ製品の原料となる植物には、実は自社のガーデンで栽培しているものもあるのをご存じでしたか? 
ここでは、日本在住のガーデナー、エルフリーデ・フジ=ツェルナーさんが、ドイツにあるガーデンを訪ねた際のレポートをご紹介。今回は、ガーデンツアーのあとに行われた至福のトリートメントの体験記をお届けします。

Print Friendly, PDF & Email

ドイツにあるヴェレダ社の広大なハーブガーデン

ヴェレダ社のガーデン

ナチュラル・オーガニックコスメブランドのヴェレダ。「人と自然との調和」をモットーに、植物一つひとつがそれぞれ持つ力を引き出し、それらを人の美しさや健康へと生かす商品を販売しています。そんなヴェレダの数々の商品に使われている原材料の一部は、世界各地にあるヴェレダの自社農園で栽培・収穫されたものも含まれています。そんなヴェレダの持つガーデンの中でも最大のものが、ドイツのシュヴェービッシュ・グミュント北方の高原にあるハーブガーデン。20ヘクタールの敷地にさまざまな植物が育つ、広大な薬用植物苑です。前回は、植物や虫など、そこに住まう生物たちが調和を保つこの美しい庭についてお話ししました。今回は、ハーブガーデンのガイドツアーを終えてから受けた、至福の体験についてお話しします。

ガーデンの隣に建つヴェレダの工場

ヴェレダの工場

さて、ヴェレダ社の広大なハーブガーデンは、もちろん、ただ目で見て美しいだけの庭ではありません。ヴェレダの製品に使われている植物原料は、可能な限り、認証を受けたオーガニック栽培かバイオダイナミック有機栽培で栽培されたもの、または管理された野生採集のものが使用されています。このハーブガーデンも、そんな薬用植物の収穫の場の一つでもあるのです。このヴェレダのハーブガーデンでは、多くの薬効あるメディカルプランツやハーブが育ち、その中から180種の植物が実際に収穫されてヴェレダの医薬品や化粧品の原料として利用されています。

エキナセア
ヴェレダのガーデンで咲き広がるエキナセア。風邪などに効果があるといわれるハーブの一つです。

収穫された薬用植物が、製品となるまでの工程の一部が行われているのが、ガーデン入り口のすぐ近くに立つ、鮮やかな赤色の工場の中。この中では、製品に配合するために、収穫されたさまざまな植物から、薬効成分を抽出するなどして実際に使用できる形にしています。ちなみに、ヴェレダのボディオイルやバス用品は、すべてここ、シュヴェービッシュ・グミュントにて製造されているそうですよ。

ヴェレダのスキンクリーム
アーモンドオイルにローズマリー、カレンデュラ、カモミールなどを加えたものは、スキンクリームに。

見学では、実際に工場内に足を踏み入れることはできませんが、収穫から製品に使用されるまでの工程の解説を見たり、サンプルを見学したりすることができます。それぞれの植物の持つ力が引き出され、スキンケアやボディケアなどさまざまな製品に役立っている過程は興味深く面白いものです。

ヴェレダのガーデン
工場前にも色鮮やかな花壇が。鉢植えになっているのは、ドイツで珍しいビワの木。ドイツの冬は寒いので、冬には温室に移動します。

至福のトリートメント体験

ヴェレダのショップ

この日は広大なハーブガーデンを巡り、今まで知らなかった新しい知識の数々を得ることができました。ガーデンを巡る間はずっとワクワクしていましたし、とても充実した一日を過ごせたのも確かですが、ここを訪れるまでの長時間のドライブの疲れもあり、一通り見て回った後にはちょっとグッタリ。ちょうどそんなタイミングで、疲れが吹き飛ぶようなオーガニックなヴェレダ製品を使った至福のトリートメントを体験することができました。

ヴェレダの店内
緑に囲まれた中に、いろいろなヴェレダ製品が並ぶ開放的なショップが。

場所はヴェレダのショップの2階。開放的なショップがある1階から2階に上がると、25人ほどが入れる大きな部屋がありました。ラッキーなことに、私たちが体験した時には貸し切りの状態。部屋に足を踏み入れると、ほのかにハーブのよい香りが鼻をかすめ、それだけでも疲れが軽くなるのを感じます。窓が大きくて光がたっぷり入る、暖かそうな部屋の中心には数組の椅子があり、壁沿いには、パイル地のタオルとバケツとともに、ヴェレダ製品が並んでいました。

これから何が始まるのか、ドキドキしながら椅子に座ると、感じのいい素敵な女性スタッフが、数種類のハーブオイルを見せてくれて、どんな香りが好みなのかを質問されました。ヴェレダの製品には、それぞれシンボルとなる、効能や個性豊かなキープラントがあります。その中から、今回、私が選んだのはラベンダー。それぞれ好みの香りを選ぶと、靴と靴下を脱ぐように促され、容器にお湯を張って、ヴェレダの「ラベンダー バスミルク」を入れた足湯に浸かることになりました。

ローズマリー バスミルク
同行者が選んだのは「ローズマリー バスミルク」。

足湯の温度は38~39℃ほど。もちろん、個人の習慣によっても異なりますが、10~20分くらい、あまり熱すぎないお湯でやるとよいとされています。爽やかな香りが漂う足湯は極楽気分で、しばらくすると疲れ切った足もすっかりリフレッシュ。

蒸しタオルでリラックス

この足湯と同時に、首周りに蒸しタオルを巻いてもらうのもとても気持ちがよく、ドライブや取材で疲れていた体や首がほぐれ、頭痛が引いていくのを感じました。このタオルからは、心身の調和を整えるというバラの香りが。座っていた椅子から一面に大きく開いた窓を見やると、緑の木々越しに輝く太陽と青い空が見え、鳥たちの歌声も聞こえます。ゆったりとリラックスできる、まるで天国のような素晴らしい時間でした。

足湯を終えると、最後にリラックスオイルを使ったハンドマッサージまで受けることができました。ヴェレダの製品体験の時間は、合わせて30~40分ほど。トリートメントを終え、すっかりリフレッシュした気持ちで帰途につきました。

ヴェレダのキープラント

ヴェレダの製品にはどれも、シンボルとなる固有の薬用植物があり、それらはキープラントと呼ばれています。キープラントには、それぞれ私たちの健康や美容に生かすことのできるパワーを持っています。

ラベンダー
Photo/VicW/Shutterstock.com

例えば、今回の体験で私が選んだラベンダー。濃厚で爽やかな香りを持つラベンダーは、リラックスや鎮静効果のある香りとして、古代より親しまれてきた有名なハーブです。ラベンダーの花から採れる精油には、中枢神経系を鎮める働きや身体をリラックスさせてくれる効果があり、神経興奮や不眠症、けいれん、心血管疾患や消化不良にもいいとされています。そんなラベンダーは、疲れた心身のケアにぴったり。不眠ぎみの人は、お風呂にバスミルクを入れたり、眠る前にボディオイルでマッサージしたりすると効果が期待できます。

ローズマリー
Photo/pilialoha/Shutterstock.com

ローズマリーも一般的なハーブの一つ。すっきりとした強い香りは、リフレッシュや疲労解消に効果があるとされています。ローズマリーの精油は消化促進や循環機能、神経細胞の活性化などの効能を持ち、冷えの改善や、リューマチや偏頭痛の緩和に効果的だそう。また、殺菌作用にも優れていて、入浴剤にすれば、治りにくい傷に治癒効果があります。ハーブティーなどで口にしても、オイルを肌に塗ってスキンケアとしてもいい高性能なハーブです。

モミ
Photo/PetitNuage/Shutterstock.com

もう一つ、入浴時のバスミルクとして、ぜひオススメしたいのが、モミ(サパン)。一般的にクリスマスツリーとして使われるモミの木から抽出した精油を用いています。常緑樹のモミの木は、冬でも葉が落ちることなくみずみずしい姿を保つことから、永遠の生命を象徴するものとして、ローマ時代に欧州各地で行われていた冬至祭での崇拝の対象とされていました。また、ヴェレダの思想として重要な、アントロポゾフィー(人智学)的な視点から見ると、寒い北の国で内部に熱や力を蓄え、外界の刺激から身を守り、均衡を保ちながら育つ植物とされています。ちなみに、ヴェレダのモミの精油は、極寒の地シベリアに育つモミから採られたもの。そんなモミの精油を使ったバスミルクは、まるで森林浴をしているかのような心地よい香りで、しっかり体を温めてくれます。

ヴェレダのガーデンガイドツアーとトリートメント体験

今回私が訪れた、ドイツのシュヴェービッシュ・グミュント北方の高原にあるハーブガーデンでは、申し込みをすれば、誰でもガーデンガイドツアーやトリートメント体験に参加することができます。体験できる主なトリートメントは、バスミルクを使った足湯や蒸しタオルなどのリラクゼーションや、ボディオイルを使ったマッサージなど。手や脚、首のように、体の一部短い時間のみのマッサージでも、びっくりするほどリラックスできますよ。ボディオイルは季節により異なり、また、好きな香りのものを選ぶことができます。また、夏には、蒸しタオルの代わりに、レモンの香りがする冷たいタオルでリフレッシュするのもオススメ。ドイツを訪れた際には、ぜひ一度体験してみてくださいね。

日本ヴェレダHP
https://www.weleda.jp/

併せて読みたい

オーガニックコスメのパイオニア「ヴェレダ」社のハーブガーデン・レポート!
ドイツの秋冬の食卓に欠かせないバラエティー豊かなリンゴの実
お風呂でできる「ガーデンセラピー」、しませんか?

Credit

ストーリー&写真/Elfriede Fuji-Zellner
ガーデナー。南ドイツ、バイエルン出身。幼い頃から豊かな自然や動物に囲まれて育つ。プロのガーデナーを志してドイツで“Technician in Horticulture(園芸技術者)”の学位を取得。ベルギー、スイス、アメリカ、日本など、各国で経験を積む。日本原産の植物や日本庭園の魅力に惹かれて20年以上前に日本に移り住み、現在は神奈川県にて暮らしている。ガーデニングや植物、自然を通じたコミュニケーションが大好きで、子ども向けにガーデニングワークショップやスクールガーデンサークルなどで活動中。

協力/WELEDA

取材/3and garden

Print Friendly, PDF & Email