柔らかくて濃厚な味わいのアボカド。美容によい成分もたっぷり含まれていて、女性からの人気も高く、スーパーでもよく見かける果実です。さて、アボカドは、じつはタネからお家で育てて観葉植物として楽しむこともできます。普段は捨てるだけのタネから、お得に楽しく、アボカドを育ててみませんか? 

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森のバターとも呼ばれる栄養豊富なアボカド

アボカド断面

栄養価が高く、おいしくて人気の高いアボカド。「森のバター」とも呼ばれるように、脂肪分を多く含んだアボカドは、トロリと柔らかくてクリーミーです。スーパーにも並ぶ一般的な果実ですが、アボカドがどのような植物なのか知っている人は意外に少ないかもしれません。アボカドは中央アメリカを原産とする常緑性の高木の果実で、世界に3,000品種以上あるとされています。

木に実るアボカド

「森のバター」という名がある通り、アボカドの果実には脂肪分が多く含まれていてカロリーは高めですが、その脂肪分の多くは健康によいとされる不飽和脂肪酸。また、美容や健康に欠かせない各種ビタミンや、女性に欠乏しやすいミネラルを豊富に含み、葉酸や食物繊維も含まれている、特に女性にとってはとても嬉しい食材。そのため、「食べる美容液」なんていう名前で呼ばれることもあるほどです。

アボカドトースト
トーストにスライスしたアボカドと目玉焼きをのせて。

さて、そんなアボカドをおいしく食べた後に残るのが、実の真ん中にある、丸くて大きなタネ。いつもは捨ててしまうこのタネを使って、アボカドを育ててみませんか? アボカドは耐寒性がやや弱いものの、意外にも日本の気候でも栽培が可能です。関東南部以西であれば、戸外での越冬も可能。もっとも、食品として販売されているタネから栽培した場合、結実までに長い時間がかかるので、アボカドを自宅で収穫するのは難しいかもしれません。タネから育てた実生苗は、実の収穫には適していませんが、アボカドの葉は涼しげで濃い緑色が美しく、実を収穫できなくても観葉植物として楽しむことができます。成長させれば、初夏に咲く黄色い小花も楽しめますよ。本来は高木になるアボカドですが、鉢植えでコンパクトに育てれば、室内でも栽培できます。

アボカドの鉢植え
観葉植物として育てたアボカドは、大きな濃い緑の葉が素敵。

アボカドのタネの発芽方法

アボカドを食べたら、タネは捨てずにとっておきましょう。その際、包丁の刃などで多少傷がついていたとしても、問題なく発芽します。アボカドは低温に弱く、長く冷蔵庫に入っていた場合などは発芽しにくくなっている場合があります。アボカドを食べる機会があればいつでも挑戦できますし、失敗してもともと、という気持ちで、あまり気負わずにチャレンジしてみましょう。

アボカドの発芽は、気温の高い5~8月頃に行うのがオススメ。20℃ほどの気温を保つことで、発芽率が高まります。気温が高い状態で発芽すれば、その後の生育の際にも防寒対策が必要ありません。ここでは室内のちょっとしたスペースで管理でき、誰でも挑戦しやすい水耕栽培と、発芽後も育てやすい鉢植えでの発芽の手順をご紹介します。

水耕栽培でのアボカドの発芽方法

用意するもの

アボカドの水耕栽培準備
  • アボカドのタネ
  • 水耕栽培用の容器
  • つまようじ

水耕栽培用の容器はグラスなどなんでも構いませんが、根を伸ばせるようにある程度深さがあり、タネを固定できるよう口の部分がタネよりも一~二回りくらい大きいものがオススメです。

発芽の手順

  1. 取り出したタネをよく洗う
    タネを洗う
    アボカドからタネを取り出したら、タネについているぬめりを取り除くようによく洗います。アボカドの果肉には発芽抑制成分が含まれているため、しっかり洗っておかないと発芽しにくくなります。アボカドは乾燥に弱いので、食べた後は早めに発芽作業をするとよいでしょう。
  2. タネにつまようじを刺す
    タネにつまようじを刺す
    よく洗ったタネのとがったほうが上、丸いほうが下になるように、つまようじを3本ほど刺します。このつまようじを容器の縁にかけてタネを固定します。タネに傷がついても、中心部の胚が傷つかなければ問題なく発芽するため、あまり深くなければ気にせずに刺してしまってOKです。やや下向きに刺すと、タネを深く容器に沈めることができます。
  3. 容器にタネをセットする
    タネをセット
    水耕栽培の容器に水を入れ、つまようじを刺したアボカドのタネをセットします。水の量は、タネの下1/3~半分ほどが水に浸かるようにするとよいでしょう。タネをセットしてから、30~40日程度で発芽します。時々水を替えながら、発芽まで待ちましょう。

水耕栽培での発芽後の管理

アボカドの発芽

発芽した後のアボカドは、しばらくは水耕栽培で育てることができます。日当たりがよく、気温の下がらない窓辺などに置きましょう。水中に白い根を伸ばし、次第に成長する姿が見られるのは水耕栽培ならではの楽しみ。環境さえ整えば、根と茎を伸ばして大きくなりますが、ある程度の大きさを超えたら倒れやすく、生育も悪くなります。半年ほど栽培して、根がいっぱいになったり、葉が数枚出たタイミングで培養土を入れた植木鉢に植え込むとよいでしょう。

アボカドの水耕栽培
地上部が成長し、根がいっぱいになってきたら植え替えのタイミング。

鉢植えでのアボカドの発芽方法

アボカドの発芽

土に植えて発芽させる場合は、はじめから地植えにするよりも、植木鉢で栽培するほうが管理もしやすくオススメです。植木鉢で栽培する場合、土は園芸用培養土で大丈夫。アボカドは弱酸性の土壌を好みますが、さほど気にしなくてもよいでしょう。

アボカドのタネは、水耕栽培の場合と同様に、よく洗ってぬめりを取っておきます。タネは乾燥に弱いので、実から取り出したらなるべく早めに植えましょう。植木鉢の底に鉢底石を入れ、水やりの際に水がたまるウォータースペースを考慮しながら培養土を入れたら、とがったほうが上になるようにしてタネを植え込みます。その際、タネの下半分ほどだけが土に埋まるように注意しましょう。タネを植えたら水をたっぷりやり、タネ播きは完了。アボカドは水切れに弱いため、植えた後は土が乾かないように水やりを忘れずに行います。発芽に適した温度は20℃前後で、植え込み後、1カ月程度で発芽します。

アボカドの育て方

アボカドの鉢植え

発芽したアボカドは、北風が直接当たらない、日当たりがよい場所で管理します。水切れに弱いので、用土が乾燥しないよう水やりを忘れずに行いましょう。特に、夏場は乾燥しやすいので注意します。また、春~秋にかけての気温が高い成長期には、必要に応じて規定量の肥料を施すとよく育ちます。幼木の頃は茎が折れやすいため、支柱を立てて育てると安心。茎が伸びてきたら、鉢の大きさや必要に応じて剪定します。

アボカドは耐寒性がやや弱いため、冬は防寒対策が必要です。特に若木のうちは寒さに弱いので、室内に取り込んで育てたほうが無難。成長すれば、地域によっては戸外でも越冬できます。寒風が直接当たらない、日当たりのよい場所で管理するとよいでしょう。

アボカドは本来であれば高木に成長するため、鉢植えの場合は大きめの鉢で栽培するとよいでしょう。根詰まりすると生育が悪くなるので、生育に合わせて数年に一度植え替えをします。植え替えの適期は5~6月頃。根が強くないので、植え替えの際はあまり根をいじらないように注意します。根がある程度大きく育ったら、花壇などに植え付けるのも方法です。

味のよいアボカドを結実させて実を収穫したい場合には、このようにタネから育てた実生苗は適しません。園芸店で接ぎ木苗などを購入しましょう。また、アボカドの花は、一つの花の中でも雄しべと雌しべの成熟期が異なるため、自家受粉せず、1本だけ植えても結実しにくいのが特徴。実を収穫したい場合は、異なる品種と混植するとよいでしょう。結実までの年数は、接木苗で3~4年ほど、実生苗で4~6年ほどかかるとされています。

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Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

Photo/ 1)Lizmyosotis/ 2)Krasula/ 3)MNStudio/ 4)Anna Shepulova/ 5)Madlen/ 10-11)Olya Detry/ 12)GlebGus/ 13)ShooShoo/ Shutterstock.com
6-9)3and garden

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