秋は新そばが旬を迎える季節です。そばの食文化が古くから生活に根付いている会津で育った、郷土料理研究家の本間のぞみさんが簡単に作れておいしい、絶品そばレシピを教えてくれます。会津のおいしいおそば屋さんや、そばレシピの素材が手に入るローカル道の駅情報も満載! 美容や健康にも効果大のおそばの魅力をたっぷりご紹介します。

Print Friendly, PDF & Email

モチモチ、プリンッ!
ウマすぎて普段食べるのご法度! の「はっとう」

そば粉のはっとう

江戸時代、巡見に来たお役人に出したところ、おいしすぎるので祝いごとで食べる以外は「ご法度」と言われたことから名付けられた郷土料理です。お餅のような重さはなく、そばがきほど淡白でない、ちょうどその中間の食感と味わいに、やみつきになってしまいますよ!

材料
・そば粉50g
・もち粉50g
・水70g

Aきな粉味/きな粉20g 砂糖20g 塩ひとつまみ
Bえごま味/えごま(擦っておく)20g 砂糖20g 塩ひとつまみ

つくり方

  1. ボウルに粉類を入れて水を少しずつ加えながら、耳たぶくらいの柔らかさになるまで練る。
  2. 打ち粉(分量外)をして厚さ3mmくらいに伸ばし、ひし形にカットする。
  3. 2を熱湯に入れて浮いてきてから1~2分ほど茹でたらお湯を切って、AかBをまぶして完成。

*えごまが手に入らない場合はすりゴマで代用してもおいしいです。

フランス・ブルターニュ地方の郷土料理、そば粉の「ガレット」

そば粉のガレット

フランス・ブルターニュ地方の郷土料理「ガレット」で、そば粉を洋風に楽しみます。

前日のおかずや冷蔵庫の余り物も、ガレットにのせればごちそうに様変わり。小麦粉よりダマにならずに作りやすく、ヘルシーなのも魅力です。

材料/6~7枚程度
・そば粉150g
・塩ひとつまみ
・水350ml
・卵1個
・ハチミツ小1(好みで)

<生地のつくり方>

  1. ボウルにそば粉と塩を入れ、水を半分くらい加えてへらで練る。粉っぽさがなくなったら残りの水と卵を加えて泡立て器でよく混ぜる。
  2. 1にラップをして冷蔵庫で1時間ほど休ませる。
  3. フライパンを熱してオイル(分量外)を敷いてなじませる。2をおたま1杯弱流し入れて、フライパンを回しながら薄く広げて焼く。
  4. 表面が乾いてきたら、裏返して1分ほど加熱し完成。

*好みで生地にはちみつを入れると焼き色がきれいに仕上がります。

<具材のつくり方>

キノコのバルサミコ酢炒め×秋シャケのソテー

材料
Aキノコのバルサミコ炒め Bバルサミコソース 生シャケ

※キノコのバルサミコ炒めとバルサミコソースのつくり方は下を参照

準備
生シャケは米粉を薄くまぶしておく

つくり方

  1. フライパンにオイル大さじ1(分量外)を広げ、シャケを両面焼く。
  2. 皿に、ガレット、Aのキノコソテー、シャケのソテー、サラダを散らし、仕上げにBのバルサミコソースを回しかけて完成。

*前日に生シャケを塩麹小さじ1まぶしておくと、臭みが消えて食べやすくなります。

キノコのバルサミコ酢炒め

材料
・お好きなキノコ200g程度
・オイル小さじ1
・ニンニクひとかけ
・玉ねぎ半分
・塩、コショウ少々
・めんつゆ、バルサミコ酢各大さじ1

準備
キノコは食べやすい大きさに切っておく。
ニンニクはみじん切りにしておく。

つくり方

  1. オイルをフライパンにひいてニンニクを炒め、玉ねぎ、キノコを加える。
  2. しんなりしてきたら、バルサミコ酢、めんつゆを回し入れて炒め、塩、コショウで味を調える。

 バルサミコソース

・バルサミコ、オリーブオイル各大さじ1
・塩、コショウ適宜
・レモン汁小さじ1

以上の材料をよく混ぜる。

<そばガレットのスイーツ・ナッツ×チーズ×ハチミツ>

そば粉のガレット

シンプルな材料で生地のおいしさを楽しみます

準備
好きなナッツを砕いておく。

つくり方
ガレット生地にチーズを塗って折りたたみ、ナッツ、ハチミツをかけて完成。

クルミ
会津の道の駅で買ったクルミを割って、ガレットにトッピング。

ダイエット効果で注目のそばを
気軽においしく食べる

そば粉とそばの実

そばには抗酸化作用のある「ルチン」をはじめ、細胞の再生、代謝を促進するビタミンB1とB2、肌のハリ、シワの防止を含むビタミンE、腸内環境を整える食物繊維など、美容と健康に嬉しいたくさんの栄養素が含まれています。昔から健康によいとされてきたそばは現在、ダイエット食品としても話題を呼んでいます。特に注目されているのは「そばの実ダイエット」。そばの実にはたんぱく質の一種「レジスタントプロテイン」が含まれており、それが脂肪の吸収を抑える効果があるといわれています。食事にスプーン1杯のそばの実を加えるだけという手軽さも人気の一つ。会津では、手軽においしくできるそば粉やそばの実を使った伝統料理がたくさんあるので、ぜひ参考にしてみてください。特にそばの実は、たくさん茹でて冷凍しておけばサラダや汁物のトッピングに使えて便利ですよ。

会津産のそば粉は「道の駅」や直売所でも購入ができます。「道の駅」には、その土地ならではの伝統野菜や加工品が販売されているので、会津に帰るたびに訪れます。行くたびに新しい発見があり、とても面白い場所です。

道の駅あいづ 湯川・会津坂下
http://heso-aizu.jp

田島 道の駅
http://aizukogen-yume.jp/tajima/index.php

JA会津よつば まんまーじゃ
https://life.ja-group.jp/farm/market/detail?id=1440

飲みのシメに最適の「そばの実雑炊」

そばの実雑炊

アルコールの分解を助ける成分や、肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ効果のあるそばは、お酒の締めにもぴったりです。

材料
・茹でたそばの実おたま1つ分
・だし汁おたま2つ分
・薬味(梅干し、小口ねぎ、塩昆布など)

つくり方

だし汁と茹で汁、そばの実を入れてひと煮立ちさせる。器によそって薬味をのせて完成。

<そばの実のゆで方>

  1. そばの実をたっぷりの水に1時間浸す。
  2. 1を鍋に入れて強火にかける。沸騰したら弱火にして15分茹でる。
  3. 2をザルに上げて完成。

*冷蔵で3日ほど、冷凍庫で1カ月は保存できます。

なつかしくやさしい味わいのおやつ「そばぼうろ」

そばぼうろ

幼い頃によく食べた懐かしい味です。ポリポリ食べ始めると止まりません。

材料
A/卵1個 砂糖60g 水大さじ1
B/そば粉100g 砂糖60g

準備すること
オーブンを170度に予熱しておく。
ポリ袋を小さめのボウルに用意しておく。

つくり方

  1. ポリ袋にAを入れ、よくモミモミする。
  2. 1にBを加えてポリ袋を膨らまして口を閉じ、フリフリする。そのあと、全体が均一になるようモミモミする。
  3. ポリ袋の端を切って、オーブン皿に好きな形に絞る。
  4. 170℃のオーブンで10分ほど焼く。

*焼き色がしっかりつくまでオーブン庫内で乾燥させます。

会津を訪れたらぜひ食べて欲しい
会津そばの魅力

そばの花
8月が終わる頃、会津の各地域でそばの花が咲き、その風景を見に訪れる観光客もいます。有名なのは南会津にある猿楽台地のそば畑で、農林水産省主催の「日本のむらコンテスト」で入選したこともあるほど美しい風景です。

母が会津に嫁いで一番感動したのが、会津のそばです。それは今でも変わらず、母は会津のそばが一番おいしく感じるそうです。会津地方のそばは、つなぎを使わない「十割そば」が基本で、そば本来の風味が存分に味わえます。そば作りはとても奥が深い料理です。私も挑戦したことがありますが、特に十割そばはうまくまとまらず、自分で作ってみるたびに、やっぱりそばは美味しいそば屋さんで食べるのが一番! と実感させられます。

会津におそば屋さんはたくさんありますが、オススメはいわゆる専門店ではなく、古民家のお座敷で食べさせてもらうお店です。そばを注文すると、浅漬けやお浸しなどの嬉しいおまけもいただけて、まるで親戚のお家でごはんをごちそうになっているような感覚です。それに、子ども連れでもあまり気を使わずにいられるのが、2人のやんちゃ娘をもつ私としては本当にありがたく感じます。

会津そば

会津のそばの歴史は古く、特に標高が高くて米作に向かない山間部では、主食に近いものとして食されてきたため、そば粉やそばの実を使った郷土料理が多く存在します。日常的な食事として親しまれる一方で、そばはハレの日のご馳走としても活躍してきました。会津では、結婚式の披露宴でお客さんにそばを振る舞う「後段のそば」という風習があります。もてなす側の人が「会津そば口上」という、そばを褒める言葉に面白おかしく節をつけて唄うものです。

そんなふうに、そばは古くから生活に密着した食べ物で、私も幼い頃から、家族や親戚で集まるたびにそばを食べ、今も会津に帰ると必ずそばを食べます。現在会津では、そば粉の生産量が北海道に次いで全国2位を占め、会津の全地域で生産されています。秋になると会津の各地域で「新そば祭り」を開催し、毎年全国からお客さんが集まり賑わいを見せています。

会津そば

会津のそばは地域によって特色があります。会津初代藩主・保科正之の広めた「高遠そば」は辛味大根をつゆに使ったピリリと辛い味わい。ほかにも製粉にこだわった喜多方の「山都そば」、磐梯山の清水で打つ「猪苗代そば」、大内宿の「ねぎ箸そば」などいろいろあるので、ぜひ食べ比べてみてください。秋になると、会津の各地で新そば祭りが開催されます。この機会にぜひ足を運んでみてください。
http://shintsurumen.com/shinsoba.html

会津のおいしいそば屋さん Information

そば処 花扇 http://www.uyou.gr.jp/kasen/toiawase.html
蕎麦匠 すゞのき

併せて読みたい

手づくり味噌が1日で完成?! ほんのり甘い絶品「手前味噌」のつくり方
年末の飲み過ぎ・二日酔い予防の強い味方!柿のおつまみレシピ
畑の食材を使った簡単・おいしい・ヘルシーなクッキーのつくり方

Credit

制作&レシピ/本間のぞみ
会津郷土料理研究家。福島県会津若松市生まれ。デザイン事務所のアシスタントを経てガーデニング雑誌編集部に入社。庭のある暮らしや食に関する記事をつくる中で、さまざまな食のプロに出会い魅了され、和菓子店、ベーグル店、ビストロなどで経験を積む。現在2人の子どもを育てながら、地元の母がつくった会津野菜や食品を使ったレシピの提供中。

Photo/本間のぞみ、3and garden

参考資料
会津の風土が育んだ 食文化 『ごっつお 会津郷土料理十食』/会津若松商工会議所

Print Friendly, PDF & Email