咲かせて、眺めて、飾って嬉しい、小さな庭がある花暮らしを楽しむ前田満見さん。神奈川の住宅街にある自宅の30坪の庭で、花が少ない夏に育てて重宝する一年草と、初めて鉢植えで育てた朝顔の魅力をご紹介します。

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夏に咲かせる青い花たち

花の少ない夏の庭に、涼やかな彩りを添えてくれる一年草。中でもここ数年、好んで植えているのが、耐暑性と強健性に優れたスーパーチュニア・ビスタとトレニアです。そしてもう一つ、昨年の夏に初めて鉢植えをして、その美しさに魅了された朝顔。猛暑に負けず晩秋まで咲き続ける健気さに、日々癒されます。

スーパーチュニア・ビスタ‘ブルースター’と
トレニア‘カタリーナ・ブルーリバー’の寄せ植え

スーパーチュニアビスタは、新しいペチュニアの品種。これまでに、何回か従来のペチュニアを育てましたが、どうしても梅雨の蒸し暑さで株が弱り、真夏には枯れてしまってうまく育てることができませんでした。けれども、このスーパーチュニアビスタは、蒸れや暑さに非常に強く勝手に次々と分枝するので、ペチュニアに不可欠な摘心の必要もありません。そのうえ、立性と這性を兼ね備えているので、夏頃には、一株がこんもりと鉢を覆うほど生長します。

初めて植えた時は、「本当にそんな優秀なペチュニアがあるのかな」と半信半疑でしたが、それを見事に払拭する生育ぶりに驚きました。

スーパーチュニア・ビスタには、花色の異なる種類がいくつかありますが、わたしが選ぶのは、「白×濃紫」の ‘ブルースター’。小花ながらバイカラーがキリッとした印象で、咲き揃うとなかなかの存在感です。ちなみに、「日本フラワー・オブ・ザ・イヤー2016〜2017最優秀賞」に選ばれているのだとか。

そして、この‘ブルースター’と寄せ植えにしているのがトレニア‘カタリーナ・ブルーリバー’。トレニアは、すみれの花と似ていることから、「夏すみれ」とも呼ばれていますね。清楚で可憐な花姿からは想像できないほど、この花も暑さに強く生育旺盛。夏を代表する一年草です。この‘カタリーナ・ブルーリバー’の魅力は、藤色の花と明るい黄緑色の葉、鉢から枝垂れ咲く美しさ。まさに‘ブルーリバー’という名前通りの清涼感に、目も潤います。

盛りを過ぎたライムグリーンのアナベルに優しく寄り添う、この白〜藤色〜濃紫色のグラデーションの涼やかな小花の群れが、真夏の太陽で火照った庭の緑に一服の涼を運んでくれます。

夏の暮らしが楽しくなる朝顔

昨夏、初めて鉢植えした朝顔は、ホームセンターの園芸売り場でふと目にとまったSale品。一輪だけ咲いていた白と紫の花模様の美しさに惹かれ、連れて帰ることにしました。所々、つるが折れたり葉が傷んでいたものの、根元はしっかりしていたので、プラスチックの行灯からつるをほどき、短く剪定して深鉢に植え替えました。

行灯の代わりに、3本の丸竹を組み合わせてオベリスク風に仕立てました。それから約1週間後、新しいつるが伸びて、よく見ると所々に小さなつぼみも。毎日、少しずつ膨らむつぼみを観察しながら開花を待っていると、ある朝、庭に一輪の朝顔の花が咲いていることに気がつきました。涼味が残る空気の中、思わず見惚れるほどの奥ゆかしい美しさ。その姿にすっかり魅了されてから、「今日は、いくつ咲いているかな」と、毎朝庭に出るのが密かな楽しみになりました。

そんな朝顔の花を堪能できるのは、たったの半日。昼前にはしぼんでしまうので、花数が多くなったら、時には間近で愛でるために室内に迎えます。水を張った吹きガラスの平皿に、朝摘みの朝顔と庭に生えているつる性のシダ植物のカニクサを添えて。ガラスの縁にふわりと絡んだ瑞々しい葉に映える朝顔は、涼やかで、どことなく高貴な雰囲気が漂います。

古来より日本人に親しまれてきた朝顔は、懐かしい日本の夏花。今でも新品種が続々とお目見えして、その人気は年々高まっているようです。中でも、この夏、わたしが一番気になっているのが「江戸風情」という変化朝顔。一つの苗がさまざまな絞り模様の花を咲かせるそうです。あ〜、想像するだけでうっとりです。

タネまで青みがかっていて可愛い。

Credit

写真&文/前田満見
高知県四万十市出身。マンション暮らしを経て30坪の庭がある神奈川県横浜市に在住し、ガーデニングをスタートして15年。庭では、故郷を思い出す和の植物も育てながら、生け花やリースづくりなどで季節の花を生活に取り入れ、花と緑がそばにある暮らしを楽しむ。小原流いけばな三級家元教授免許。著書に『小さな庭で季節の花あそび』(芸文社)。

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