池や水を張った容器の中で植物を育てるウォーターガーデンは、見た目にも涼しげで夏にぴったり。そんなウォーターガーデンに欠かせないものが、水に揺れる緑が美しい水草です。その中でも、水鉢などで手軽に楽しめる、水面に葉が浮かぶタイプの水草をご紹介します。

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水草(水生植物)とは

普段ガーデンで目にする植物と水草は、大きく異なるように思えますが、どちらも植物であることは変わりません。植物の中でも、体の一部または全部が水中で生育するものが水草と呼ばれています。そのため、ひと口に水草といっても、その形状や性質はさまざまです。

水草には主に、葉や茎が水上、根が水中にある「抽水性植物」、体のすべてが水中にある「沈水性植物」、根を水中に張らず、水面や水上を漂って生育する「浮遊性植物」、水底から茎を伸ばして水上に葉を浮かべる「浮葉性植物」、水辺に育つ「湿生植物」があります。また、同じ水草でも、水位の変化に合わせて体の特徴を変化させることが多く、水中葉と水上葉では、一見別種に見えるほど姿が異なるものもあります。

水を使った涼しげなウォーターガーデンは、ボトルアクアリウムや水槽、水鉢などで楽しむことができます。小さな器に水草を育てて楽しむボトルアクアリウムは、とても手軽で手入れも簡単。大きめの水槽で水草を栽培する場合は、育てるものに合わせてフィルターやライト、ヒーターなどが必要となりますが、自由にレイアウトができ、とても華のあるインテリアになります。水鉢を用いた栽培であれば、ナチュラルな風情が楽しめ、手もあまりかかりません。ウォーターガーデンでは、水草だけでなく、流木や石などを用いてレイアウトするのが一般的。魚やエビ、貝など、水生動物を一緒に飼育することもよくあります。素材選びや配置によって、オリジナルな水景色をつくれるのも、ウォーターガーデンの大きな魅力です。水生動物を飼育する際は、生育環境をきちんと整え、水草だけを育てるよりも頻繁に手をかけてあげましょう。

育ててみたいかわいい水草

非常にたくさんの種類がある水草ですが、その中から、中が透けないスイレン鉢などでも楽しみやすい、水面に葉が浮かぶ種類をピックアップしていくつかご紹介します。水鉢ガーデニングなら、透明な水槽や特別な器具がなくても、屋外のベランダやガーデンの一角で楽しむこともできます。

ホテイアオイ

メダカの産卵浮き草としてお馴染みのホテイアオイ。ぷっくりと膨らんだ葉柄が水に浮かび、土がなくても栽培できる浮遊性植物です。7~9月頃に青紫色の花を咲かせます。熱帯性植物なので、冬は屋内で管理を。

マツモ

水面を漂いながら水流に揺られる繊細な葉が涼しげなマツモは、屋外ビオトープやアクアリウムなど、いろいろな使い方ができます。環境の変化に強く、世界中の幅広い地域に生育します。

ウォーターダイヤ(コビトヒメビシ)

水底から茎を伸ばし、水面に放射状にダイヤ形の葉を広げるウォーターダイヤは、目を引く水草です。強い光の下では葉色が赤に変化し、真夏には黄色い花も咲かせます。熱帯性植物なので、冬は屋内で管理します。

ウキクサ

水面に漂う浮遊性植物の代表例。2㎜前後の丸い葉がいくつも浮かびます。栽培がとても簡単で、短期間で増えるので、増えすぎた場合は適宜取り除きましょう。

オオサンショウモ

浮き葉の表面が毛に覆われ、よく水をはじくオオサンショウモ。水に浮かべるだけで簡単に成長し、大型になるので、ある程度大きな容器での栽培に向きます。熱帯性植物なので、冬は屋内で管理します。

ウォーターバコパ

明るい色の葉が美しく、夏には青紫色の可憐な小花を咲かせます。ビオトープやアクアリウムで、メダカの隠れ家や遊び場にもオススメです。水辺に生息する植物で、株元が常に水につかるように水位を調節して育てます。水中に沈めて育てることもできます。

ご紹介した品種の苗は、透明のカップや袋などに入って、夏になるとガーデンセンターや園芸店にも並びますが、アクアリウム専門店や観賞魚店などでは、日頃見かけないような、珍しい品種にも出合えます。水草を見つけにアクアリウム専門店へ出かけるのも、夏の新鮮な過ごし方ですよ。ぜひ好みに合った水草を見つけてください。

水草の育て方

水草の生育に必要なものは、基本的には普段育てているガーデンプランツと変わりません。光と水、肥料、二酸化炭素を与え、生育に合った環境を整えてやることで、元気な水草を育てることができます。ここでは、基本的に特別な育成器具が不要で、誰でも手軽に楽しめるボトルアクアリウムや水鉢での栽培方法をご紹介します。

水草を購入する際には、茎が太く、色鮮やかで新鮮さを感じさせるものを選びましょう。葉が色あせたり、黄ばんでいるもの、茎や葉が半透明になっているものは避けたほうが安心。また、根元付近にも葉が密生して間延びしていないもの、コケや貝のついていないものを選びましょう。植え込みの際には、茎が太いものを除き、ピンセットを用いて行います。根や葉を傷つけないように、あらかじめ底に穴を掘っておくとよいでしょう。浮き草の場合は、植え込みは必要ないため、水に浮かべればOKです。

常に水を張った状態なので、水やりは必要ありませんが、水が蒸発してなくならないよう、水が減ってきたら足しましょう。また、水鉢の場合はあまり気になりませんが、ボトルアクアリウムなどではコケが生えてくることがあるので、適宜掃除も行います。水生動物を飼育している場合は、塩素を中和した水を戻します。その際、水温などの環境が急激に変化しないよう、あらかじめアクアリウムの近くに汲み置きしておき、元の水も取っておいて混ぜて戻すとよいでしょう。

水生植物にも肥料は必要ですが、与える際は控えめに。多すぎると水質の悪化や藻の繁殖につながります。また、水草も光合成のために光を必要としますが、夏は水温が上がりやすいので、直射日光の当たらない場所に置いたほうがよいでしょう。基本的に自然繁殖するので、増えすぎたら適宜間引きます。

耐寒性の有無や好む環境などは、水草の種類によって異なるので、栽培の際にはそれぞれの好む環境について確認しておきましょう。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

参考文献:『水槽で屋外で小さな器で かんたん きれい はじめての水草』(月刊アクアライフ編集部編・マリン企画)

Photo/ 1)Videowokart/ 2)Elena Elisseeva/ 3)kunmom/ 4)e22xua_th/ 5)Chatchai Kuntrakornkiti/ 6)Passararin Jongsereechoke/ 7)angnokever/ 8)Arunee Rodloy/ 9)invisible163/ 10)ESstock /Shutterstock.com

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