庭に入ると、行き先を案内してくれる「小道」。更地からガーデンへとつくり変えていくとき、まずは敷地を行き来する場所として小道のスペースを決めておくと、庭のデザインの手がかりになります。小道にも庭の数だけデザインがさまざまあります。ここでは、シンプルなつくりから、凝ったデザインまでピックアップしてご紹介します。

まっすぐな道

まっすぐ一直線な道は、その先に目的地が見えるデザインです。最短ルートでたどり着くので出入り口付近など、日常生活でよく行き来する場所にはまっすぐな道がオススメ。また、通る頻度が多い道になる場合は地盤を固くして、歩きやすく平らに舗装をしておくと、安全に長く使うことができます。

写真は、イギリスの公園の出口へと案内する小道です。左右に低く灌木が茂り、生垣の外へと誘導するシンプルなデザイン。地面には、敷石がランダムに貼ってあるので、雨の日もぬかるまず、歩きやすくなっています。

まっすぐな道でも、幅が広ければアクセントをつけることでチャーミングな道になります。写真は、イギリスのガーデンの中で、建物と庭をつなぐレンガの道です。道の中にランダムに草花が茂り、面白い景色になっています。道の中央にあるのは石の日時計です。

レンガの中に植物が生えている⁉︎ という驚きがあり新鮮なデザインです。植物はどこに生えているのか、近づいて見るとレンガを外した地面に低く茂るゲラニウムが植わっていました。こんもりまとまって花も咲き、道に緑のアクセントになっています。

道を斜めから引いて見ると、左右には芝生や木々の緑というシンプルな植栽で、小道が際立っています。花が咲き乱れているばかりがガーデンではなく、こうして緑がすがすがしい空間に、デザインに一工夫した小道があることで、楽しく行き来ができる場所になりますね。

小道の敷石選び

平らで歩きやすい小道の舗装には、選ぶ石材によってもイメージががらりと変わります。先にご紹介した道はレンガ色でしたが、上写真のようにグレイッシュなピンコロ石(立方体に加工した御影石などの舗装材)を敷き詰めたら、明るい雰囲気に。敷石の色に合わせて、左右に白花が咲く草花を組み合わせたことで、ロマンチックな雰囲気です。

レンガや石は敷き方によって模様をつくることができます。四角い石の間に丸い石を入れてアクセントにするとオリジナル感がアップ。こうして石材で模様をつくって舗装することを「ペイビング」といいます。庭づくりを進めていくと掘り返した土の中から石が出てくることも多く、取り除いた石を捨てずに、ペイビングの材料として活用するのもアイデアです。

タイル状の平板と隙間に小石を敷き詰めたデザイン。風雨にさらされて味が出るのも楽しみ。

カーブを描く道

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まっすぐな道に対してカーブする道は、行く先が隠れる場合が多いので、「その先がどうなっているのか」期待感がある道になります。歩きやすい、ゆるやかなカーブの形を描くには、更地にロープやホースを仮置きして、実際に歩いてみるとよいでしょう。

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庭のスペースに余裕があったら、カーブする小道にアーチを組み合わせると庭が立体的になります。アーチがある場所は道幅を広くし、手前の道幅は狭くすると、遠近感が出て庭が広く見える効果も。人一人がゆったり歩ける道幅は50㎝程度を目安にするとよいでしょう。

枕木や擬木をカーブを描くように並べ、その隙間にリシマキアなどの這って広がるグラウンドカバーの植物を植えておくと、多少カーブが曲がっていても気にならない小道が完成。きっちりきれいなカーブをつくらなくても、雰囲気がよい道に仕上がる好例です。

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カーブを描く小道に、無数の小石をペイビングしたアートな小道。庭仕事がひと段落する冬は、モルタルの硬化も緩やかなので、ちょっと手のかかるペイビングを冬中にチャレンジするのも手づくりガーデニングの醍醐味。今から構想を練って、材料を用意しておくのはいかがですか? 来春のオープンガーデンの見せ場になりますよ。

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小道の基本的なつくり方は、『庭に小道をつくろう! ストレスなく歩ける小道の作り方ポイント』もご覧ください。

Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。