気温が高くなってくると、バラはたくさんの芽を吹き、勢いよく葉を展開させます。この頃、楽しみな花の季節の前にやっておきたいのが「芽かき」。病害虫の抑制に効果のある芽かきのやり方をご紹介します。

Print Friendly, PDF & Email

「芽かき」とは

芽かきとは、バラの新芽が成長する頃に、不要な芽を取り除く作業のこと。対象となるバラは、大きくなった成株のみです。芽かきは、新芽を吹いた後、葉を数枚展開させた頃に行います。ある程度芽が成長するのを待って、勢いのある芽を選別して残します。芽かきの作業は、バラ栽培において必須なものではありません。必要であれば行いますが、芽かきにはメリットとともにデメリットもありますので、バラの様子を見ながら判断しましょう。まだ小さな株は、芽を減らすことなく成長させ、株の体力を養いましょう。

左は芽かきの前。右は芽かき後。

芽かきによる主なメリットは、病気の発生の抑制です。バラの枝、特に株内部の枝や下のほうの枝には、花をつけず、葉も数枚出しただけで止まってしまうものがあります。これらの枝にも、もちろん光合成をして養分をつくり出す、という役割がありますが、一方で病気の発生源になりやすいというマイナス面もあります。思いきって不要な脇芽を整理すれば、株内部の蒸れが解消し、さらに枝を透かすことで株全体への薬剤散布もしやすくなり、病気の発生を抑制することができます。

芽かきにより、伸び始めた新芽を摘み取って枝の数を減らすことは、バラにとっては負担となりますが、十分に生育した株の場合は、芽かきによるデメリットよりも、株全体に大きなダメージを与える黒星病が発生してしまうリスクのほうが大きいため、芽かきをします。一方、十分に生育していない株の場合、メリットよりもデメリットのほうが大きくなるので、芽かきはしないほうが無難です。また、育てているバラの数が多い場合には、全ての株の芽かきをすることは大変なので、あくまでも手が回ったら行う作業としてとらえておくとよいでしょう。

それではバラの芽かきの方法を、写真とともに見ていきましょう。ここでは生育のよい、3年目の‘レオニダス’を例に解説します。

芽かきの手順

芽かき前の‘レオニダス’。新芽が展開し、内部が少し混み始めている。芽によっては小さなつぼみもついている。‘レオニダス’はもともと切り花品種のため、耐病性が低く黒星病に弱い。

芽かきは、春に新芽が伸び始めてから。葉を数枚展開させた後に、勢いがよく花芽の付いた新芽を残すようにします。芽が小さいほうが株の体力を奪いませんが、勢いのある芽を選別するために、ある程度成長させてから作業しましょう。

芽かきを行う芽。葉が数枚展開しているほうが、芽の選別がやりやすい。

芽かきの際は、花芽が付いておらず、他に比べて勢いのない芽を手で摘みます。特に、株内部は枝が混みやすいため、内部の不要な芽を摘み取るようにします。摘み取る際には、付け根の部分からしっかり取り除きましょう。一方、勢いよく伸び、花芽が付いたものは摘まずに残します。

一枝分の芽かきが終了。株内部の芽を整理し、風通しよく育てる。
芽かきで取り除いた新芽。写真のような一株でこの程度の量の芽を整理し、あまり摘みすぎないように気を付ける。

芽かきの際は、あまり勢いよく摘みすぎないように注意しましょう。一度摘んでしまった芽は元に戻せないため、必要最低限だけ整理し、できるだけ慎重に作業します。

芽かき終了後の‘レオニダス’。必要な分だけ取り除いたため、一見大きな変化はないが、株の内部が少しすっきり。

Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

Print Friendly, PDF & Email