鮮やかな花の色を水に写して遊んだ記憶はありませんか。ハーブの花の中には、そんな色水遊びを楽しみながら、美味しく飲めて身体にも良いものがあります。夏の庭で楽しみたいカラフルなハーブドリンクをご紹介します。

天然色素のディープ・ブルー・ラテ

Photo/Lomdet.P/Shutterstock.com

紺碧の青色がミルクに溶け出す様子がなんとも不思議で妖しげなドリンク「ディープ・ブルー・ラテ」。この万年筆の青色インクのような濃い色は、こう見えて天然もの。バタフライピーと呼ばれる青い花の色素を使っています。バタフライピーは東南アジアに自生するマメ科の植物で、タイやベトナムなどでは古くから愛飲されているポピュラーなハーブティーです。タイやマレーシアではこの青色で米を染めたナシケラブという伝統料理もあります。

まるで魔法! 青から紫に変わる秘密

Photo/zarzamora/Shutterstock.com

この青色はアントシアニンという色素によるもので、お湯に浸すとその成分が溶け出て鮮やかな青色のティーになります。アントシアニンは酸性では赤色に傾くため、レモンを入れるとサーっと紫色に変わります。また、アントシアニンは抗酸化物質のポリフェノールの一種で、美容と健康への効果と、そのフォトジェニックなビジュアルから、バタフライピー・ティーは近年、人気が高まっています。

ブルーからパープルのグラデーションが綺麗なバタフライピー・ドリンク。蜂蜜やシナモンを入れ、炭酸で割って飲んでも美味しい。Photo/Theerawan/Shutterstock.com
バタフライピーのお茶を凍らせれば、見た目も涼しげなアイスバーができます。Photo/Rimma Bondarenko/Shutterstock.com

夏に丈夫に咲くつる性植物です

Photo/touristgirl/Shutterstock.com

バタフライピーは江戸時代末期に日本に入ってきており、実は古くから栽培されてきました。本来は多年草で、原産地の熱帯地方では一年を通して花が咲きますが、日本では寒さに弱いので一年草として扱われています。一方、夏の暑さにはとても強く、猛暑の中でも丈夫に育ち、6〜10月まで繰り返し青い小さな花を咲かせます。つる性で1〜4mほど伸びるので、フェンスやトレリスなどにつるを絡ませながら育てるとよいでしょう。花は収穫して乾燥させると、一年中ハーブティーとして楽しめます。

宿根草のハーブ「コモン・マロウ」もおすすめ

写真/竹田正道

夏に青紫色の美しい花を咲かせるブルー・マロウも美しい色が楽しめるハーブです。畑の縁などで鮮やかな花を咲かせているタチアオイ(ホリホック)と同じアオイ科の花ですが、タチアオイより少し小ぶりで鮮烈な色が印象的です。花は午前中咲いて、午後にはしおれてしまう一日花なので、収穫は朝のうちにすませます。とても丈夫な宿根草で、植えっぱなしで何年も花を咲かせます。年々、株が太るので、植え付けから3年目以降は株分けをしながら育てます。

摘んだ花は風通しのよい日陰で乾燥させます。Photo/KPG_Payless/Shutterstock.com
写真/竹田正道

ドライにしたブルー・マロウをティーポットに入れ、お湯を注ぐと美しい青紫色になります。マロウは咳や下痢、不眠の解消などに効果があるとされ、ヨーロッパではギリシャ時代から親しまれてきました。この青色もやはりアントシアニンなので、レモンを入れると色が変わります。

レモンを絞ったマロウティー。美しいピンク色に変わりました。写真/竹田正道

美しい色が楽しめる夏のハーブティー。子ども達やお客様の前で色変わりをさせると、盛り上がること間違いなしです!

*ハーブティーには子宮収縮作用があるものもあるため、妊娠中や生理中は避けましょう。また持病がある方や体調が優れないときにもご注意ください。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。