無農薬でバラの庭づくりをしている面谷ひとみさんは、庭で咲いたバラを摘んでバラジャムづくりを楽しんでいます。美しい色と香り、そしてシャキシャキとした花びらの食感は、他のどんなジャムにもない魅力です。バラの色をキレイに残すつくり方を、面谷さんに教えていただきました。美味しいのはもちろん、調理している最中も溢れる香りで夢心地だそうですよ。

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1.発色のきれいな赤系のバラを選ぶ

赤やピンクの、発色が美しく、香りのよいバラを選ぶと、美味しいバラジャムができます。黄色や青みがかったバラは、香りはよくても色はあまりきれいに出ません。以下は色がキレイに出て、香りも良いオススメのバラです。

赤色がジャムにしても美しく発色する‘スヴニール・デュ・ドクトゥール・ジャマン’。
夢見るような花色の‘メイヤー・オブ・キャスターブリッジ’。
濃厚な香りのオールドローズ‘ジャック・カルティエ’。
オールドローズでつるバラの‘ベルドゥ・クレシー’。
香り高いオールドローズ‘フェリシテ・パルマンティエ。

2.咲きたての花を朝摘む

気温が上がってくると花びらの香り成分が揮発してしまうので、朝早くに摘みます。花は終わりそうなものではなく、咲きたてのものを選んだほうが、虫が入っていることも少なく、色もキレイに出ます。摘んですぐに調理するのがベストですが、できない場合はジップロックなどに入れて冷蔵庫に保存し、その日の夜までには調理するようにします。

3.ガク近くの花弁の基部を切る

花心から花びらをもいで、花びらの基部を少し切ります。ここには少し苦味やエグミがあるので、取り除いたほうが美味しく仕上がります。水を張ったボウルに花びらを浮かべて優しくかき混ぜて洗い、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。

4.8分揉み込み、花色水を出す

ボウルに花びらを入れ、レモン汁を絞りかけて強く揉み込みます。4分くらい経つと、一気にバラから水分が出てきます。計8分ほど揉み込んだら、花びらをザッと絞ります。ここで出た花色水は後で使うので、捨てずにとっておきます。揉み込みが足りないと、味や香り、色の出が悪くなるため、しっかり8分揉みましょう。

5.花びらを煮詰め、花色水を加えて寝かせる

絞った花びらを鍋に入れ、砂糖と水を加え、中弱火で20分ほど煮ます。火からおろして冷ましたら、先ほどの花色水を加えて、そのまま1時間ほど寝かせます。その後、もう一度火にかけて煮詰めたらでき上がり。花色水を後から加えることで、発色がよくなります。

<分量の目安>
・バラの花びら 150g
・砂糖 100g
・レモン汁 1個分
・水 1カップ

オールドローズを10種類ほどミックスしてつくった贅沢なバラジャム。

我が家のバラは、全て香りのよいものを選んで、無農薬で育てているので、バラジャムづくりには最適です。庭に植えたワイルドストロベリーでもジャムをつくりますが、ベリーよりもバラのほうが素材として大量に収穫できるなぁと、ふと思ったことがきっかけです。そこで、以前からバラジャムづくりをしている友人にレシピを聞いて試してみたところ、あまりの香りのよさと色の美しさに、すっかりジャムづくりにハマッてしまいました。ジャムづくりをしてみると、庭で育てているだけでは分からなかった花の個性に触れることができます。

バラが最盛期を迎える5月の庭。
ピンクのバラは‘モーティマー・サックラー’、赤色のバラは‘スヴニール・デュ・ドクトゥール・ジャマン’。

例えば、オールドローズとイングリッシュローズでは、花弁の薄さが異なり、同じくらいの大きさの花を同じ数摘んでも、グラム(g)数が倍近く異なります。オールドローズのほうが花弁が薄く、ボウルに入れて揉み込もうと手を入れた途端、まるで羽毛が舞い上がるように花びらがフワッと浮き上がります。口に入れた時の食感も、オールドローズのほうが柔らかく、花びらがより厚くしっかりしているイングリッシュローズは、シャキシャキとした食感が楽しめます。

オールドローズとイングリッシュローズをミックスしてつくったバラジャム。

バラジャムはスコーンやヨーグルト、アイスクリームなどシンプルなものに添えていただくと、味と香りが際立ちます。オープンガーデンの際に、ヨーグルトに添えてお客様にも味わっていただきましたが、とても好評でした。無農薬でバラを育てているなら、ぜひバラジャムづくりをお試しください。美味しいのはもちろん、つくっている最中のキッチンも、まるで夢のような香りですよ。

面谷さんのお庭はこちら。

Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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