バラを栽培する多くの人が頭を悩ませる問題が、バラの大敵・黒星病(黒点病)。葉が黄変して落ち、悪化すると株全体の葉が落ちて枯れてしまうこともある、厄介な病気です。黒星病の発生が始まる春から始めたい、予防と対策の方法を解説します。

バラの大敵・黒星病

 

バラの栽培をする人の多くが直面する厄介なバラの病気が黒星病。バラに多く見られ、梅雨など雨が多く湿度の高い時期に発生しやすい病気です。発症した葉には褐色の斑点が生じ、やがて黄変して葉が落ちます。被害が拡大すると、次々に葉が落ちて樹勢が衰え、最悪の場合枯死してしまうこともあります。また、一つの株に発生することで、周囲にも感染が拡大し、大きな被害が出ることもあるため、予防に努めるとともに、発生してしまった場合には、被害が広がらないうちに早めに対処することが重要です。

黒星病を発生した葉。黒褐色の斑点が生じ、斑点の周囲が黄変している。

黒星病の原因は、カビの一種である病原菌。黒星病の原因菌は濡れた状態など多湿な環境を好み、他の葉にも病原菌が広がることで、被害が拡大します。そのため、黒星病の対策には薬剤散布が有効です。病気を発症した後の対処だけでなく、予防にも薬剤散布は効果的。黒星病の原因菌は濡れた状態など多湿な環境を好むため、水やりの際には泥はねを避けるように株元に丁寧に水をやることや、雨が直接当たる環境を避けること、マルチング材等を利用して株元を覆ってやることなども、黒星病の予防には有効です。

また、こまめにバラの葉の点検をして斑点が生じていないかを確認し、初期の段階で発見することも重要です。ここでは、すでに黒星病を発症している株を例に、発生した黒星病への対処方法を解説します。ここで紹介している薬剤散布は、対策だけでなく予防にも効果的です。他に、同じくカビの一種を病原菌とするうどん粉病や、アブラムシやバラゾウムシなどの害虫に効果のある薬剤を選べば、同様の方法でそれらの病害虫の発生も予防・対策することができます。

白く粉を吹いたようになるうどん粉病。黒星病と同じくカビを病原菌とし、光合成が阻害されるために生育が悪くなったり葉が枯れたりする。
アブラムシはバラにも発生しやすく、つぼみや新芽などに集って養分を奪う。

黒星病の予防と対策

 

上記の通り、黒星病の予防及び対策には、薬剤散布が有効です。薬剤は手軽に使用できるスプレー式のものがオススメ。バラを複数株育てている人は、表記通りに水で希釈して用いる薬剤が便利でしょう。薬剤散布を行う際は、子どもやペット、近隣家庭などに影響がないよう、十分注意して行います。

準備するもの

・薬剤(黒星病に効果のあるもの、ここでは住友化学園芸の「ベニカXファインスプレー」を使用)
・マスク
・手袋
・ゴミ袋など

手順

  1. 黒星病の症状が出ている葉を、小葉ごと付け根から摘み取って捨てます。その際、摘み取った葉を放置すると、他の葉や株に感染が拡大する可能性があるため、必ずゴミ袋などに入れて集め、処分を。すでに落ちてしまった葉も、丁寧に拾って捨てます。

    写真はすべて黒星病の症状が出ている葉。葉に斑点が入り、黄変しているのが特徴。葉を取り除く際は、5枚葉、7枚葉などの小葉ごと付け根から摘み取って捨てる。
  2. マスクと手袋を着用し、薬剤を株全体にまんべんなく散布します。葉表、葉裏の両方に散布をし、薬剤がしたたり落ちる程度まで行います。散布の際には、薬剤に書かれている注意事項を確認してから使いましょう。
    薬剤がしたたり落ちる程度になるまで、全体にまんべんなく散布する。

    葉裏も忘れずにしっかり散布を。

鉢植えで栽培しているバラであれば、薬剤を散布した後、直接雨の当たらない場所へと移動すると、さらなる病気の発生の予防につながります。薬剤の散布は一度で終わらせるのではなく、黒星病の発生しやすい季節には、薬剤の種類にもよりますが、1カ月に1回程度の頻度で定期的に散布すると、継続的な効果が期待できます。その際、病原菌の薬剤への耐性を防ぐため、異なる種類の薬剤をローテーションして使用するようにしましょう。

*薬剤の取り扱いの際には、目的に合った薬剤を選び、記載されている注意事項をよく読み、十分注意してください。

Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。