バラを育ててみたいけど、何から始めてよいか分からない初心者さんへ。まず、バラはどんな風に成長し、一年が過ぎるのかを知ることからスタートしてみませんか? ここでは昨年購入したバラの経過を見ながら、ダイジェストでバラ栽培についてご紹介します。バラを育てる楽しい一年を予習してみましょう。

バラはマンションのベランダでも育ちます

2年目の春に咲いた‘コーネリア’と‘紫玉(しぎょく)’の花を活けて、ティータイム。自由に花を切って飾れるのは、バラ栽培の一番の楽しみ。

見本の栽培ストーリーは、南向きのマンションベランダです。つるバラを購入してから1年がたち、再び迎えた開花のトップシーズンがやってきました。自分で育てたバラが次々と咲き始め、開花のシーンをSNSにアップしたり、花を切って部屋に飾ったり。毎朝、今日は何輪咲いたかな? と、カーテンを開けるのも楽しみになります。バラの例年の開花は、南九州では5月上旬、関東では5月中旬、東北では6月、北海道では7月と、お住まいの地域によって開花の時期はずれますが、一年で一番バラがたくさん咲くのは春です。

バラを育てている人は、この春の開花を目指して、日々の水やりや肥料、植え替え、剪定、誘引などの栽培法を身につけて、時期によって必要な手入れをしています。一度もバラを育てた経験がないと、自分にできるだろうか? 不安に思うかもしれませんが、育つのを手伝ってあげてるくらいの感覚でスタートしても、バラはちゃんと咲きますよ。

バラを育てる一年の経過

2年目の春を迎えた一季咲きの‘紫玉(しぎょく)’。花はダマスクのよい香りがするのも魅力。

もしバラを購入したら、何をすればいいの? そんな疑問にお答えするために当サイトでご紹介している「バラを育てる1・2・3」シリーズ。前年の春、バラの苗を通信販売で2株購入して栽培をスタートしてから1年が巡りました。

2018年は、これまでになく開花が早く、バラ愛好家を驚かせていますが、秋冬に土替えや剪定・誘引を終わらせていれば、あとは開花する日を待つばかり。そうして迎えた春の開花は、本当に嬉しく、バラを自分で育てているすべての人に訪れる幸せな時間です。

前年よりも2倍以上花がよく咲いた‘コーネリア’。咲き始めから終わりまで、2週間ほど開花が楽しめる。

春の花以降、成長する勢いに驚かされます

5月に通信販売で購入した2種のバラ(写真左)は、花が終わるとぐんぐん成長し、高さ30㎝ほどの鉢では水の乾きも早いため、6月に2回りほど大きな鉢へ2株一緒に植え替えました(写真中央)。その後、右の‘コーネリア’は二番花(春の開花の次の開花)が少し咲き、太陽に向かって枝がどんどん成長(写真左)。ベランダでのバラ栽培は、春から秋までは、毎日の水やりは必須の作業です。ちょっと葉がしおれた感じがしたら、慌てずにたっぷり水をやれば、根がぐんぐん水を吸って回復します。

【バラを育てる1・2・3】シリーズ、1年目の栽培プロセス記事はこちら
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株元や枝の途中から新しい枝が出て、成長が嬉しい初夏

先端に赤い葉をつけた枝は、夏に株元付近から伸び出た新しい枝。シュートと呼ばれ、翌年の春に多くの花を咲かせる可能性があるので、折らないように育てる。

バラの樹形には、木立性(ブッシュ)、半つる性(シュラブ)、つる性(クライミング)があり、品種によって1年で伸びる長さが異なります。スペースが限られたベランダでは、キモッコウバラのように急激につるが伸びる品種は、株が暴れて手入れに苦労します。‘コーネリア’のような1年で2m程度伸びる穏やかな成長のつるバラを選ぶと、ご紹介のようなオベリスク仕立てをベランダでも楽しむことができます。

バラを育てる時に知っておきたい、バラの樹形3タイプ

秋冬は、春に美しく咲かせるためのお手入れ時期

バラは秋冬に葉を落とし、樹木の芽吹きが始まる頃に葉が増えていく落葉性樹木です。写真左は、12月末。春と比べてずいぶん枝が長くなり、つるバラらしく成長しました。年末年始の冬休みを利用して、植え替えと剪定・誘引の作業をし、仕立て終わったのが写真中央。株元に少しスペースができたので、春まで見頃の一年草、ビオラやプリムラを植えて日だまりに置いておきます。2018年は3月中旬に新芽が吹き始めました(写真右)。

まだまだ寒風が吹く3月のマンションベランダで、新芽が吹き始めた。品種によって新芽の色や形に違いがある。

バラを栽培する人にとって、一年で一番の大仕事が、植え替えや剪定・誘引です。バラは、水さえ切らさなければ春に花が咲きますが、植え替えで新しい土と肥料を施すことで根が活性化し、春までに栄養を蓄えるので、前年よりももっとよく花が咲きます。また、枝を整理したり、仕立て直すことで、姿よく花を咲かせることができます。

木立性のバラは、短く切り整える剪定作業のみ行いますが、つるバラは長いつるをオベリスクなどの構造物に這わせる「誘引」をすることで、自分の好きな姿に整えることができます。最初はどの枝を切ったり誘引すればよいのか、ちんぷんかんぷんです。でも、分からないなりに剪定・誘引を毎年しているうちに、この作業もバラ栽培の楽しみに変わっていきます。ベランダでは、オベリスクにぐるぐる巻くように、つるをS字に誘引して360度花が咲くように仕立てました。

木立性のバラの鉢植えの冬の植え替え、剪定の方法はこちら
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いよいよ春。葉が茂り、枝先にはつぼみがいっぱい!

2018年は4月上旬につぼみが膨らみ始めました。この時期は、表土が乾いたらたっぷり水やりをして、日がちゃんと当たっているかを確認します。

そして開花までは、害虫が葉やつぼみを食べてしまわないか、観察して駆除するのも、きれいに花を咲かせるために必要なお手入れです。葉を眺めていると、光に透けて裏側に何やら潜んでいるのが分かります。これはアブラムシ。見つけたら駆除しましょう。こうやって、手を貸してあげることで、花の季節がますます楽しみになります。

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バラを育てると季節の変化に敏感になります

2018年は4月29日には開花がスタート。2017年は、5月10日でした。

バラを育て始めると、「今年はいつ満開になるか」がとても気になって、待ち遠しくなります。春は強い風が吹くので、新芽が傷まないだろうかとか、雨が続けば、成長するための日差しは足りているだろうかなどと気になります。

バラを育ててみると、街中に咲く花や季節の移り変わりに気がつくようになり、世界が違って見えてくることでしょう。

一株のバラ栽培から、花を育てる楽しい暮らし方の一歩を踏み出してみませんか? 日記をつけるように開花の記録や困ったこと、ハプニングをブログやインスタグラムなどに投稿しているうちに、花好きの友達ができるのも、近年のガーデニングの楽しみです。花好きの仲間は日本全国にたくさんいますよ。

Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。