5月はバラの最盛期! そして虫たちが現れ始めるのもこの季節。バラの害虫にはさまざまな種類がいますが、相手の行動を知って適期に対応すれば、それほど難しいことはありません。今回は葉っぱやつぼみに被害をもたらす虫たちと、その対策をご紹介します。バラが枯れてしまうほどの被害はもたらしませんが、樹勢が弱まる原因にもなるので対策をしましょう。

葉っぱがボロボロです

Q1 葉っぱが何かにかじられたように、ボロボロになっています。5月初頭からこのような葉っぱが現れ始めました。原因はなんでしょうか。

A1 ハバチの仲間でチュウレンジバチの幼虫がかじった痕です。4月頃に成虫が飛んできて、茎に卵を産みつけます。5月には一斉に卵から幼虫がかえります。まだ小さいうちは集団で葉裏の縁に群がって葉をかじります。葉っぱの裏側からぶら下がっているので、表からは葉の縁に黒い頭が連なっているように見えます。成長してくると、それぞれ単独で散らばって行動するようになり、食欲も旺盛になるので、被害も拡大します。放置しておくとすべての葉が葉軸だけになり、夏以降のバラの生育が弱まります。チュウレンジバチの幼虫が原因で枯れることは滅多にありませんが、夏や秋にも花を期待するなら、早いうちに対処したほうがよいでしょう。

<対策>
集団でいるうちに見つけて葉っぱごと切り取るのが効率的で、被害も少なくて済みます。5月になったら、よく葉っぱを観察しましょう。刺したり、かぶれたりするような幼虫ではありません。

チュウレンジバチの成虫は、身体の色がオレンジ色。春先に飛んできて、茎に卵を産み付けます。「ハチ」という名前がついていますが、刺さないので見つけたら卵を産みつけるのを防ぐために手で捕獲します。あまり素早くないので、容易に手で捕らえることができます。

葉に白いポツポツ

Q2 葉っぱに白いポツポツがあります。病気でしょうか?

A2 これもハバチの仲間でオオシロオビクロハバチの幼虫が、葉裏の葉肉をかじった痕です。表から見ると、それが白い斑点状に見えます。チュウレンジバチと同様に、5月初頭から現れ始めます。幼虫は薄緑色でチュウレンジバチの幼虫のように頭が黒くなく、葉っぱの縁にぶら下がっているわけでもないので、写真より小さいうちは、よく見ないと見落としてしまうかもしれません。成長に従い被害も拡大します。

<対策>
5月になったらよく葉っぱを観察し、葉に白いポツポツを発見したら葉っぱごと切り取って捨てましょう。被害葉を残しておかないほうが、効率的に退治できます。触れても刺したり、かぶれたりするような幼虫ではありません。

葉っぱの先がしおれてチリチリ

Q3 葉っぱの先がしおれてチリチリです。水切れ? 病気?

A3 葉っぱの先だけしおれて乾いている場合は、水切れでも病気でもなく、バラゾウムシが原因です。新しく展開したばかりの新葉やつぼみの根元に穴をあけてエキスを吸うため、突然つぼみが枯れる原因はバラゾウムシがほとんどです。生態と対策については、『バラの新芽が枯れる理由「バラゾウムシ」』や『バラの害虫対策の秘策! バラゾウムシ一網打尽の「ゾウムシバンバン」』で詳しくご紹介していますので参考にしてみてください。

葉っぱに茶色いシミ

Q4 葉っぱに茶色いシミができ、日に日に広がっていきます。

A4 一見、何かの病気のように見えますが、ハモグリバエという幼虫の仕業です。5月頃から現れ始めます。葉っぱの表皮と葉肉の間に入って、他の外敵に襲われることなく悠々と中で食事をしながら成長します。表皮が剥がれて浮いた部分が茶色のシミのようになります。そこを破ってみると、中にハモグリバエの幼虫と黒いフンが入っています。

<対策>
バラが枯れるような被害には至りませんが、見た目が気になる場合は、見つけたら被害が拡大する前に、葉を指で挟んで中の幼虫を潰します。

つぼみが半分に!

Q5 つぼみがパックリ半分になってしまいました。何かが食べたのでしょうか。

A5 これはエダシャクの仲間で、オカモトトゲエダシャクというガの幼虫です。エダシャクの仲間はたくさんの種類がありますが、皆とても「化け上手」。このオカモトトゲエダシャクは鳥のフンに擬態していますが、バラの枝そっくりに擬態するものもいますし、誘引ヒモに化けるものもいます。5月頃から現れ始め、つぼみを大胆にパクッと半分、または丸ごと食べます。丸ごとキレイに食べられてしまうと被害に気づきにくいのですが、よく観察すると、まるでハサミで剪定したかのような痕があります。

<対策>
見つけ次第、手で取りましょう。触るのが嫌な場合は軍手をするなり割り箸を用いるなりして対処を。触れても刺したり、かぶれたりするような幼虫ではありません。

怖がらなくて大丈夫!

薬剤を使わない庭では、良い虫も悪い虫もいろいろやってきますが、バラにつく虫で人に被害を及ぼすようなものはほとんどいません。ですから、むやみに怖がったり嫌がったりするよりも、いつ頃、どんな虫がやってきて、何をするのかをきちんと把握しましょう。早めに対処すれば、それほど悩まされることはありません。慣れてしまえば昆虫を含めてバラ栽培がより面白くなり、趣味の世界が広く深くなりますよ。

Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。