住んでいる地域によって、気候はそれぞれ違うものです。その地域に合った庭作りというのも大切なこと。夏に水不足になる地域なら、頻繁に水やりが必要な植物は避ける。日差しが強い場所なら、土が乾燥しないように植栽を上手に配置する必要もあります。実際に住む場所に適した庭を作り出したランドスケープデザイナーの自邸はどんな風になっているのでしょうか?

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緑も笑っている庭

 

Photographer:Ken Takagi

 

ここは世界的なガーデンコンテストで数々の賞を受賞しているランドスケープデザイナー、ジム・フォガティ氏の自邸です。 庭はもちろん、自らデザインしたもの。

都市の水不足への配慮から大量の散水が必要になる芝生を敷き詰めることを止めたジムは、石張り貼りのテラスと通路以外の地面を様々な植物で美しくカバーすることにしました。

それが個性的な植物が織りなす豊かな風景になり、家族や訪れる人の目を楽しませ、また、水まきをしなくても、緑の葉で派手オーストラリア独特の強い日差しを遮り、地面を乾燥から守ることにもつながるからです。 もしここが平坦な緑の芝生だったら、あるいは、わずか数種類の植物を単調に並べただけの庭だったら、彼女はこんな素敵な笑顔になれたでしょうか?

ジムのスタイル

Photographer:Jay Watson

世界的なランドスケープデザイナーであり、ガーデナーであるジム・フォガティ氏は、オーストラリア人らしい、自然でおおらかなデザインスタイルを持ち、イギリスで開催される由緒ある英国王立園芸協会主催のチェルシーフラワーショー2011でゴールドメダルを受賞するなど、世界各地のコンテストで数多くの賞を受けています。

ジムは「人と人が出会い、自然の中でリラックスして心を開き、有意義な時間を過ごす場所として、庭ほどふさわしいところはない」という信念を持って、今も第一線のデザイナーとして活躍しています。

建築と庭との調和

Photographer:Kenji Hotta

 

ジムの自宅は決して大きくありませんが、美しい緑と風のそよぎ、そして水の輝きで、訪れる人の心を豊かにしてくれる「モダンな最小限住宅」です。それに合わせるように、ガーデンも色とりどりの花を咲かせるのではなく、統一された葉の「色」とさまざまな「形」を楽しむものに仕上げました。

庭は、住宅に調和し単にそれを補うものであるのではなく、住まいの主役ともなって、人の心を開放する自然との共感の場となり、豊かな暮らしのステージとなる大切な存在だと考えるからです。

 

自然をそのまま楽しむシンプルさ

Photographer:Kenji Hotta
Photographer:Kenji Hotta
Photographer:Kenji Hotta

家族の時間を豊かにする庭

Photographer:Kenji Hotta
Photographer:Kenji Hotta
Photographer:Kenji Hotta

「これからはさらに多くの人が緑に親しみ、美しい自然がもっと愛されるようになるでしょう」とジム。
「人は自宅でもっと庭を楽しみ、それは暮らしの質を上げ、家族の時間を豊かにします。
それは決してお金では買えない価値なのです」。
庭は建物を建てた後の「敷地の余白」ではありません。庭こそがこれからの新しい住まいの価値を高めるのです。

 

楽しく暮らすためのエンターテインメント性

Photographer:Kenji Hotta
Photographer:Kenji Hotta
Photographer:Kenji Hotta
Photographer:Kenji Hotta
Photographer:Kenji Hotta

 

ジムのシンプルな住まいの奥には、スマートなプールもあります。光、風、緑、そして水が、住まいとそこで暮らす家族に大きなやすらぎを届けます。木々の間を抜け、水の上を渡る風の爽やかさ、さらに車を外に出せばガレージもエンターテイメントスペースとしてオージースタイルの立ち飲みが楽しめるバーカウンターになります。

そして人が歩いたり、車を止めると、爽やかな香りを発するレモンバームもゲストの訪れを楽しみに待っているのです。

 

design:Jim Fogarty ジム・フォガティー
Photo: Ken Takagi, Jay Watson, Kenji Hotta

引用元:『HomeGarden&EXTERIOR vol.1』より

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