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【春の庭仕事】3月はバラの害虫バラゾウムシに要注意

【春の庭仕事】3月はバラの害虫バラゾウムシに要注意

バラの新芽や新葉、つぼみがチリチリとしおれていませんか? その最もよくある原因は、バラゾウムシ。体長2〜3㎜の甲虫で、極小で見つけにくいため被害にあってもその原因が分からない方も少なくありませんが、消毒をしない庭では、必ずいると思ってよいバラの害虫です。今回はオーガニックでバラの庭づくりをしている面谷ひとみさんが、バラゾウムシを効率よく捕まえるために発明した「ゾウムシバンバン」をご紹介します。

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3月のバラの手入れで必須のバラゾウムシ退治

バラの新芽が展開し、日毎若草色におおわれていくバラを見るのは心躍るもの。もう1ヶ月もすれば、美しくかぐわしいバラたちに会えますね。しかし、この時期は害虫対策のスタート時期でもあります。特に、バラゾウムシには要注意。野放しにしていると、バラの花との再会がかなわなくなってしまうことがあります。

バラの害虫バラゾウムシとは

バラゾウムシはとても小さな甲虫の仲間です。体長は約2〜3㎜で、ケシ粒のように小さいので、別名クロケシツブチョッキリとも呼ばれています。ゾウムシとは、象の鼻のように伸びたストロー状の口の形状からそのような名前がつけられており、バラゾウムシの他にたくさんの種類がいます。バラゾウムシはその象のような口でバラの葉やつぼみに穴をあけてエキスを吸います。穴のあいた葉はそこから先に水分が行き渡らなくなり、枯れてしまいます。バラゾウムシ被害で最も残念なのは、開花目前のバラのつぼみを枯らされることです。日一日と膨らんでいくバラのつぼみが、ある日突然クタッと萎れてしまった時のガッカリ感。それをいくつも見つけたときのショック。花咲くその日のために一年間、ずっと世話をしてきた人にとって、その精神的ダメージはとても大きなものです。3月以降庭に現れて、秋まで活動します。この時期、数が増えないうちに対処するのが大事です。

バラゾウムシの被害
バラゾウムシの被害にあったバラの葉。古い葉ではなく、新葉が狙われます。
バラゾウムシの被害
被害にあってチリチリに萎れています。
バラゾウムシの姿
バラゾウムシはポロっと落ちて逃げるので、手のひらなどを受け皿にしてその上にそっと落とすようにして捕まえます。

バラゾウムシは死んだふりをする!

とても小さなバラゾウムシ

バラゾウムシはしばしば死んだふりをします。死んだと思ってその辺に捨てると、またバラの葉に戻っていきます。ダマされないで!

バラゾウムシを捕獲する方法

手のひらに落として5分ほど観察していると…。死んだふりからヒョッコリ起き上がりました。そして慌てた様子で羽を広げて飛んでいきました。バラゾウムシは滅多に飛びませんが、緊急事態には飛んで逃げるという技も使います。ですから、捕まえたら速やかに捕殺します。また、枯れたツボミはそのままにしないで取り除いて確実に捨てましょう。ツボミの中に卵が産み付けられている場合があります。産卵されたツボミを庭に捨ててしまうと、卵がかえって幼虫が土の中で越冬し、翌年の被害につながってしまいます。

ゾウムシバンバンの効率的な退治方法

鳥取県米子市でバラの庭づくりを楽しむ面谷ひとみさんは、オーガニックで庭づくりを行っています。バラゾウムシ退治のスプレー殺虫剤や予防薬も市販されていますが、面谷さんの庭はクリニックに併設されておりさまざまな体調の人が訪れるため、そうした薬剤を散布していません。薬剤を使わない場合、バラの庭には必ずバラゾウムシが現れます。面谷さんは毎日、庭を見回って被害をチェックし、バラゾウムシを見つけたら、一匹一匹、手で取り除いてきました。

「だけど、つるバラで高いところに誘引してある場合は、手が届かないのでバラゾウムシ退治も難しいんです。葉先にしばしば被害を見つけても、これまでは仕方ないなぁと諦めるしかなかったんですよ」

バラゾウムシを捕獲する方法

そこで考案したのが、ビニール傘を逆さにして、枝をトントンと叩いてバラゾウムシを捕まえる方法。

「ビニール傘の一箇所に切れ込みを入れておき、そこに枝を挟み込んで大きな受け皿にします。それから、枝の上の方を長い棒でトントンと叩くと数匹一緒に落ちてきて、高い所に潜むバラゾウムシも効率よく捕まえられるんです」

試行錯誤の末、透明傘で一網打尽にする「ゾウムシバンバン」

名付けて「ゾウムシバンバン」。面谷さんがいろいろ試した結果、傘は白や半透明ではなく、透明に限るとのこと。「透明の傘なら、つるバラの下に植わっている宿根草類が見えるので、折らないように気をつけることができます」。

バラゾウムシを捕獲する方法
傘の一箇所に切れ込みを入れ、逆さにしてバラの枝に押し当てます。
バラゾウムシを捕獲する方法
傘に落ちたバラゾウムシ。
バラゾウムシを捕獲する方法
多い時は一度に5〜6匹取れる。
バラゾウムシを捕獲する方法
さらに高い所は、傘の先端部分を持って受け皿にする。
バラゾウムシを捕獲する方法

面谷さんは、この「ゾウムシバンバン」を発明以降、バラゾウムシ退治はもっぱらこの方法で行っているといいます。「たくさんバラを育てているので、手で一匹一匹捕まえるより、いっぺんに何匹も捕まえられて効率がいいんです」。

バラゾウムシの被害で悔しい思いをしている方は、ぜひ面谷さん考案の「ゾウムシバンバン」を試してみてください。

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