「ガーデンダイアリー」の自慢は素敵なお庭の取材記事です。剛腕エディター明田川奈穂美が組む取材スケジュールは、いつもびっくりするほど超ハード。ちょうど5年前、創刊号準備のための取材でお訪ねしたお庭の数は、なんと1日に13軒! このムチャクチャな記録はいまだ更新されていません。どんなふうに1日に13軒のお庭を取材できたのか?
「怒濤の八王子ガーデンツアーその2」の今日は、5軒目から始まります。取材日程を組んだ張本人、明田川奈穂美がご案内します。

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都心より積雪量の多い東京都八王子市

こんにちは。「ガーデンダイアリー」の‘あけ’こと明田川奈穂美です。さあ、今日も八王子のガーデン巡りに出かけましょう。
私の住む八王子市は、東京の西の端にあります。冬の最低気温は都心よりも5度ほど低くて、東京で雪が降ると必ずTVのニュースで八王子の駅が出るのは、積雪量が都心よりもずっと多いからです。夏は夏で、都心に比べて最高気温が2、3度高いという、「冬は寒く、夏暑い」都心から電車で一時間くらいの東京のベッドタウンです。大型の新興住宅地が多く、私の家も500世帯くらいの新興住宅地の中にあります。もちろん庭友達もいっぱいいて、私がこんなに庭にハマることになった原因も、同じ住宅地の中に植物や庭が大好きな友人ができたからなのです。

狭くても庭づくりはできるのよ!

さて5軒目は、同じ住宅地の中のK邸です。K邸の庭は外を通る人に楽しんでもらえるようにつくられた庭です。私はバラの季節になると、このK邸の前をいそいそとうろついています。

壁面に誘引されたバラ、‘フランソワ・ジュランヴィル’が2階の窓辺まで届き、細い通路に植えられた‘スノー・グース’の白い花や‘ソフィー・ドゥ・バヴィエール’の濃いピンクの花がフェンス越しにこぼれ咲き、最前列のレイズドベッドには木バラや宿根草の花々が揺れています。

決して広いスペースがあるわけではないけれど、段差やフェンスや壁を使ったら、こんな風に1枚の絵のようなシーンがつくれてしまいます。「うちは庭が狭いから」とか、「通路しかないから」という方々にぜひ参考にしていただきたいお庭です。滞在時間25分

壁から枝垂れ咲く「メデューサ」‘アデレード・ドルレアン’

6軒目も私の家やK邸と同じ住宅街の中にあるS邸です。このお庭も玄関に誘引された‘フランソワ・ジュランヴィル’がとっても素敵!

Sさんのお庭はすごく自然体な感じがするところが素敵です。珍しい宿根草を育てようとか、シェッドやガーデンオーナメントで、おしゃれなフォーカルポイントをつくろうとか、考えていないそうです。奇をてらわずに、植物やバラを大切に育てている優しい雰囲気のお庭です。

玄関まわり、テラスまわりのほかに、テラス脇の階段を下りたところにも庭がありますが、その壁面で咲くバラ、‘アデレード・ドルレアン’は、すばらしく見ごたえがあります。トゲが多く、枝が固く、どんどん伸びて、誘引しにくいこのバラを、Sさんは「メデューサ」と呼んで、せっせとお仕えしています。滞在時間25分

‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’のアンブレラ仕立て

八王子市内の北側から南方面に向かって車を走らせます。7軒目に伺ったのはK邸。「ガーデンダイアリーVol.1」では「永遠のバラ」という特集で‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’と‘アルベリック・バルビエ’を紹介することになっていたので、このふたつのバラのある庭を「指名手配」していました。

K邸にはアンブレラ型に誘引された‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’があります。みなさま、見たことはないですよね? これは紹介しなくては。

でも、ホントは‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’だけのお庭ではありません。バラの季節が始まると、この家の前を通るのがとても楽しみです。「すみれの丘」という名前の淡い紫のバラが白いフェンスによく似合って、とてもとても素敵なのです。滞在時間15分

ポールズ ヒマラヤン ムスクは和の庭にもぴったり。

続きまして、8軒目のY邸です。こちらもポールズ ヒマラヤン ムスクのお庭です。ポールズ ヒマラヤン ムスクって、淡いピンクの小輪の花が桜みたいですよね。だから、和風のお庭にもすごく似合うのでしょう。ご覧ください、ダイナミックな誘引です。

こちらのお庭では、どのバラも大きく勢いよくみごとに育っていて、‘ピエール・ドゥ・ロンサール’の花は1輪が直径20㎝くらい。「わあ!」っと、思わずみんなの歓声が上がります。滞在時間15分

まだまだ、怒涛の八王子ツアーは続きます。1日で13軒巡りましたからね。

・5軒目K邸 ガー デンダイアリーVol.4 P12掲載
・6軒目S邸 ガーデンダイアリーVol.1 P16掲載
・7軒目K邸 ガーデンダイアリーVol.1 P61掲載

Credit

文/明田川奈穂美
八月社の「裏番」あけ。年間100軒の庭を巡る自称「ガーデンストーカー」。素敵なガーデンの噂を聞くと、即出没。ある日、あなたの庭の前に立っているかも。

写真/福岡将之
写真家。「ガーデンダイアリー」では写真撮影だけでなく、ブックデザインも担当。世界中を飛び回って、風景や植物を撮影。全国のアマチュア写真家に撮影指導も行っている。

製作/八月社(ガーデンダイアリー編集部) http://hachigatsusha.net/

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