数ある植物の中から、いま注目の植物をピックアップするシリーズ「Now blooming」。ガーデナーや育種家、ナーセリーなど、植物の達人たちへの取材をもとに編集部がセレクトした、植えどき・買いどき・咲きどきのオススメ植物をご紹介します。今回は、バリエーション豊富でガーデンには欠かせない花、ゲラニウムをピックアップ。

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種類豊富なゲラニウム

ゲラニウムは、日本ではフウロソウとも呼ばれる多年生のガーデンプランツ。名前が似たゼラニウムと混同されることがありますが、非常に種類が多く、フウロソウ属には100以上の種類があります。園芸店でよく見かけるのは、欧米で品種改良された園芸品種ですが、ゲンノショウコやアケボノフウロなどの在来種もあります。初夏から初秋にかけて、左右対称の整った5弁花を咲かせます。野に咲くような可憐でナチュラルな姿は、ガーデンに自然になじんで、ガーデナーにとってはとても使いやすい花。イングリッシュガーデンやナチュラルガーデンには欠かせない存在です。

ゲラニウムには主に、草丈が高くなる高性種と、草丈が低く、高山地帯を原産とする高山性の種類とに分かれます。今回ご紹介するゲラニウムは、一般にイメージされやすい高性種。高山性のものは暑さに弱く、栽培する時には高山植物として扱うため、温暖な地域ではやや栽培が難しくなりますが、北国ではグラウンドカバーのように使える品種もあります。

ガーデンに取れ入れたいゲラニウム

青紫色のネペタの手前がゲラニウム。

バラを育てている人なら、ゲラニウムはぜひガーデンに取り入れたい宿根草。バラにはなかなかない青系の花はガーデンのアクセントにぴったりですし、清楚な小花と豪華なバラの相性も抜群。バラと花期が揃うので、初夏にはそれぞれの花が引き立て合って美しい景色が生まれます。

もちろん、ボーダー花壇などローズガーデン以外にもオススメ。清楚な小花が風に揺れる姿はナチュラルガーデンの演出に。グラス類など、風を捉えて揺れる草花と組み合わせるのも素敵ですね。白やピンク、青紫など、花色も豊富なので、自分のお気に入りの品種を選ぶ楽しみもあります。一度植えると、こぼれダネで次第に増えてくれるのも嬉しい植物です。

ゲラニウムの品種例

ゲラニウム‘ジョンソンズ・ブルー’
ブルー系の花を咲かせるゲラニウムの代表品種。やや早咲きで、中大輪の透き通った美しい青紫の花を咲かせます。

ゲラニウム‘ロザンネイ’
青紫の花は、気温の高い時期はピンクに、気温が低くなると青みを増します。寒冷地では真夏も咲き、初夏から晩秋まで長期間楽しめます。

ゲラニウム・プラテンセ‘スプリッシュ・スプラッシュ’
白花に青いラインがランダムに入る個性的な品種。白や青の単色の花も混ざり、花色に幅があります。

ゲラニウム・ファエウム
別名クロバナフウロ。濃い赤紫色のシックな花を咲かせます。白花品種の‘アルバム’も爽やかで素敵。

ゲラニウム・サンギネウム・ストリアタム
淡いピンク色の美しい花は、大きめで存在感があります。比較的コンパクトでふんわりまとまる品種。サンギネウム系はアケボノフウロという名でも流通しています。

ゲラニウムは日当たりから半日陰を好み、落葉樹の下など夏は半日陰になるような場所が適所。風通しのよい場所に植えつけましょう。植えどきは、新芽が出る前の2~3月頃です。過度な乾燥を嫌うため、水切れには注意が必要です。庭植えの場合でも、乾燥が続くようであれば灌水したほうがよいでしょう。暑さや高温多湿に弱く、夏は蒸れにも気をつけましょう。一方で耐寒性は強いため、寒冷地では手をかけなくても丈夫で育てやすい多年草です。株が広がりやすいので、茎が倒れるようなら支柱を立てるとよいでしょう。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

Photo/ 1)Burkhard Trautsch/ 2)LianeM/ 3)ESB Basic/ 4)Del Boy/ 5)Jackie Tweddle/ 6)Iva Vagnerova/ 7)Ole Schoene/ 8)shansh23/ 9)mizy/ Shutterstock.com

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