春です。陽射しが次第に暖かさを増し、寒さに耐えていた草花たちも、春の気配を感じていっせいに成長を始めます。ガーデンはもちろん、街の中の草花たちも花や新芽をつけています。身近な小さな春を見つけに、散歩に出かけてみましょう!

春の暖かさに誘われて 花を咲かせる花木たち

暖かな春が訪れると、一日ごとに花が開き、ちょっと見ない間に景色が一変している、なんてことも。一年で、この季節にしか会えない景色を見逃さないように、散歩に出かけてみましょう! 身近な場所にも、春の気配が満ちていますよ。

道を歩いていると、街路樹として植えられているコブシの花が見頃を迎えていました。木を覆うように純白の花をいくつも咲かせるコブシは、春を告げる代表的な花木の一つです。

コブシは、開花期に小さな葉を花の下につけるのが特徴。コブシと同じく、春の初めに純白の花を咲かせる同じモクレン科の花にハクモクレンがありますが、この特徴を知っていれば簡単に見分けることができます。

さて、そんなハクモクレンも咲いていました。コブシよりも花弁が厚く、花が全開にならないので、ややぽってりとした印象ですね。すべての花が上を向いて咲くのもモクレンの特徴です。

可愛らしい花を咲かせるオオカンザクラ。早春の2月から花開くカンザクラよりも遅く、開花期は3月中旬頃。ソメイヨシノに先立って、薄紅色の花を咲かせます。

早春の名残のウメの花は、そろそろ散り際を迎えています。かぐわしい香りと凛とした姿が、いち早く春を告げてくれる樹木です。実梅系の品種の場合は、これから実をつけるのも楽しみですね。紅梅と白梅がありましたが、白梅のほうが少し開花が早いのか、紅梅がきれいに残っていました。

頭上から枝垂れる咲き始めのユキヤナギ。小さな純白の花を枝いっぱいに咲かせ、満開時にはその名の通り雪をかぶったような姿になります。生育旺盛で育てやすく、花壇や公園でよく見かける庭木なので、きっと身近な場所で出合えるはず。フラワーアレンジメントの花材としても活躍します。

かぐわしい香りを辺りに漂わせるジンチョウゲの花は、視覚だけでなく、香りでも季節の変化を教えてくれます。庭木としてもよく植えられているので、道を歩いていると、ふっとこの花の香りが漂ってくることも。

足元に目を落とせば、小さな花が咲いています

樹上に咲く花を堪能する間にも、忘れずに足元も探してみましょう。普段は気にもとめない野草や、邪魔者扱いされている雑草も、よく見ると可愛らしい花をつけています。

春の代表的な野草、ホトケノザ。薄紫色の小さな花を咲かせた姿を、道端や畑、空き地などでよく見かけます。同じ「ホトケノザ」という名がついているものの、春の七草の一つであるホトケノザ(コオニタビラコ)とは別種で、食用ではないので注意しましょう。ただ、こちらのホトケノザの花の蜜は甘く、花をちょっと摘んで蜜を吸う楽しみ方ができますよ。

ホトケノザによく似た花にヒメオドリコソウがあります。これは舗道の隙間から顔を出したヒメオドリコソウ。

青い小さな花を一面に咲かせるオオイヌノフグリ。ヨーロッパ原産の帰化植物で、いわゆる雑草ですが、中心が白、周囲が澄んだ青色の小花は愛らしく、この花を見て春の訪れを感じる人も多いのではないでしょうか。道端や野原など、あちこちで育つ花なので、花の時期には、少し探せばすぐに見つけることができます。一方で、このオオイヌノフグリの名前のもとになった、淡いピンク色の小花を咲かせる在来植物のイヌノフグリは、近年では数を減らして目にする機会があまりなくなってしまいました。

道路脇に顔を出していたツクシ。ツクシはスギナの胞子茎で、春の一時だけ見ることができます。まだ柔らかいツクシを摘んで、春の食卓の一品として活用する人もいるかもしれませんね。独特の味わいは春ならではの楽しみですが、ツクシを摘む際は、排気ガスなどに汚されていないものを選びたいので、この場所では見るだけにとどめておいたほうがよさそうです。

イフェイオン(ハナニラ)やスイセンなど、春咲きの球根植物もあちこちで花を咲かせています。丈夫で手がかからず、植えっぱなしで毎年春先に花を咲かせてくれる球根花は、ガーデナーにとって欠かせない存在です。

春らしい黄色の菜の花。ハクサイやキャベツなど、アブラナ科アブラナ属の花すべてを指して菜の花と呼びます。元気が出る鮮やかな色彩で、一面に菜の花が広がる菜の花畑などは、春にしか楽しめない美しい景色です。見て楽しむのはもちろん、食用の菜の花のお浸しなども美味しいですよね。

木々のつぼみも膨らんできました。満開のサクラの季節も、もうすぐそこです。あなたの街の春を探しに、散歩に出かけてみましょう!

Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。