「ガーデンダイアリー」は年2回、春と秋の刊行で、素敵なお庭の取材記事が自慢です。ところが! ちょうど5年前、創刊号準備のために取材でお訪ねしたお庭の数は、なんと1日に13軒! このムチャクチャな記録はいまだ更新されていません。どんなふうに1日に13軒のお庭を取材できたのか? この怒濤の取材ツアーを、当記事でご一緒にたどってみませんか? 取材日程を組んだ張本人、剛腕エディター明田川奈穂美がご案内します。

それでは、怒涛の八王子ガーデンツアーに出発です。

こんにちは。「ガーデンダイアリー」の‘あけ’こと明田川奈穂美です。「ガーデンダイアリーVol.1」創刊号発売の直後に読者の方から、「八王子の庭が多いですね」とメールをいただきました。(うっ、バレました。)「ガーデンダイアリーVol.1」でご紹介した東京都八王子市内の庭は8軒。なぜ、八王子市の庭がこんなに多いのか?

「ガーデンダイアリー」創刊の前年度に取材がスタートしましたが、春、秋2冊のガーデン誌を発行するのに、どのくらいの数の庭の写真が必要か? まったく見当がつかなかったのです。思えば、そんな私に、編集長が取材のスケジュールづくりを任せたことが間違いの始まり。昔から予定を詰めすぎるのが‘あけ’の悪い癖です。

車で家を出たのは、まだ暗い、午前3時。編集長とフォトグラファーの‘ふくちゃん’をピックアップしたのが午前4時。埼玉にある最初のお庭に到着して、取材スタートが午前5時。こうして、怒涛の1日が始まりました。

1軒目のお宅は埼玉県の毛呂山町にある「ガーデンカフェ・グリーンローズ」さんです。こちらはまた後日、丁寧に紹介させていただくとして、グリーンローズでの1時間半の取材の後、向かったのは私の住んでいる八王子、私のテリトリーです。ここから、一緒に八王子の庭巡りに出発しましょう。では、ご案内しますね。

吸い込まれそうな可愛いバラのエントランス

2軒目は新興住宅地の中にあるH邸。若くて可愛い奥様のつくる小さなお庭です。このお庭の「素敵ポイント」はエントランスかな? レンガの壁に誘引されたピンクの大輪のバラ、‘ピエール・ドゥ・ロンサール’と華やかなピンクのカップでコロコロと咲く‘アンジェラ’に覆われて、グレーの門扉の中に吸い込まれてしまいそうです。滞在時間25分

小さな小さな整形式庭園

3軒目はH邸と同じ住宅地の中にあるS邸。イギリス紳士を思わせる素敵なおじさまの小さな整形式庭園です。きっちりと刈り込まれた金芽ツゲの美しいこと。

2階のベランダからお庭の写真を撮らせていただこうと、お部屋にもお邪魔しましたが、これがまた素敵すぎるほど素敵です。

ウィリアム・モリスの壁紙に白いリネンのベッド。このベッドルームに似合うのは、「ジャージ」じゃなくて、やっぱりシルクのパジャマですよね。

Sさんは、クラシカルな雰囲気がお気に入り。統一したイメージで家具を選び、室内を装飾し、そしてガーデンも部屋のひとつと考えて、クラシカルなテイストの整形式庭園を選ばれたそうです。

庭の見える美しいお部屋でお茶をいただきながら、ホントに映画の中のワンシーンのような、優雅な時を過ごさせていただきました。滞在時間1時間

白い家は幸せの匂いがします。

4軒目は桜並木のバス通り沿いの白い家。桜の季節もモッコウバラの季節も、ホントに素で、車でここを通るたびに気になっていたT邸です。

「明日、取材させていただけますか?」と、取材前日の夜に、「突然のお願い」をさせていただきました。お庭はコンパクトですが、まわりの景色に溶け込むような家が素敵です。庭づくりをするのに、「借景」を選べるなら、季節感のある景色の中に家を建ててみたいですね。桜並木のある景色もいいなあ。

ちなみにうちの編集長は、白いフェンスに出会うと、そこでピタリと足が止まります。編集長攻略には、白いフェンスとゲラニウムとオダマキをご用意いただくのがいいでしょう。滞在時間15分

今日はこのくらいにして、怒涛の八王子ツアーはまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

・2軒目H邸 ガーデンダイアリーVol.1 P61掲載
・3軒目S邸 ガーデンダイアリーVol.1 P38掲載
・4軒目T邸 大成功のバラ栽培 P76掲載

Credit

文/明田川奈穂美
八月社の「裏番」あけ。年間100軒の庭を巡る自称「ガーデンストーカー」。素敵なガーデンの噂を聞くと、即出没。ある日、あなたの庭の前に立っているかもしれません。

写真/福岡将之
写真家。「ガーデンダイアリー」では写真撮影だけでなく、ブックデザインも担当。世界中を飛び回って、風景や植物を撮影。全国のアマチュア写真家に撮影指導も行っている。

製作/八月社(ガーデンダイアリー編集部) http://hachigatsusha.net/