2018年の2月上旬に東京ドームにて開催された「テーブルウェア・フェスティバル2018〜暮らしを彩る器展〜」は、1993年から毎年行われ、今年で26回目を数えるほど人気が高い暮らしのイベントです。毎年28万もの人々が集う国内最大級の“器の祭典”で、注目のボタニカルトレンドをピックアップしてご紹介します。

世界各国のテーブルウェアが集まる「テーブルウェア・フェスティバル」、2018年の出展ブースは250以上。海外の有名ブランドの新作から、国内産地の窯元の作品、希少なアンティーク食器まで揃う数々のショップの中で、ボタニカルをキーワードにした演出やテーブルセッティング、テキスタイルやモチーフが目にとまりました。

日本初お披露目の英国ブランド「レンデル」

会場に入り、まず最初に来場者を迎えたのは、特別企画ブース「英国–Style of Life−」。ハーブを中心に植えられたガーデンイメージのコーナーには、ナチュラルテイストのテーブルセッティング。
テーブルには、イギリスのデザイナー、ハンナ・デールさんによる動物画が描かれた食器シリーズが並ぶ。

2018年のテーブルウェア・フェスティバルの会場が日本初お披露目の場となったのが、英国最古の名窯のひとつ、ロイヤルウースター社とイギリスの動物学者でデザイナーのハンナ・デールさんとのコラボレーションでつくられたコレクション「レンデル」。

ウサギやロビン、フクロウやカモなど、ガーデンや自然風景の中で馴染みのある動物たちの姿が、躍動感のある繊細なタッチで表現されています。この動物たちを描いたデザイナーのハンナ・デールさんは、イギリスの田園地方で育ち、ケンブリッジ大学に入学後、動物学を勉強。動物学者でありながら、こうした絵を描き続け、すでにロンドンで人気を博しています。これから注目の英国ブランドです。

ポートメリオングループ社(スポード、ロイヤルウースター、レンデルBY ハンナ・デール)およびレンデル・デザイン社の日本代理店:ホワイトシティージャパン株式会社 TEL.03-62626-6466

特別企画ブース「英国–Style of Life−」から、ガーデンをイメージする食器ブランド

ブルーの食器は緑の中でも映えることから、ガーデンパーティーのおもてなし食器としても人気のイギリス、スポード社「ブルーイタリアン」。
バラや草花、フルーツなどのボタニカルイラストが描かれ、美しいうえに使い勝手がよく人気のイギリス、ポートメリオン社「ボタニックガーデン」。
「フォートナム&メイソン」のブランドカラーであるブルーを中心に、ピクニックシーンを演出したコーナー。
2018年6月・9月の百貨店催事で先行販売が予定されている「ウェッジウッド」のブルーのプランター「バーリントンポット」にランやエアープランツを合わせて。

日本の食器と人気のショップから、ガーデンイメージの商品をピックアップ

日本における最高級の洋食器メーカーとして美術価値が高い磁器をつくり続け、創業100周年を迎えた「大倉陶園」の展示ブース。これまでの感謝を込めてつくられたという100の花々からなるディナーセットとティー・テーブルの「百花譜(ひゃっかふ)」。

ティーアイテム(写真右下)には、山野草と日本のランが描かれ、色彩豊かな深山の主役たちが一斉に花開く、夢のような光景が再現されました。また、ディナー・テーブル(写真上2枚・左下)には、巡る季節を表現した6枚のサービスプレート。中央のブーケとその周りを囲む小窓には、それぞれの季節に花開く植物が描かれています。ペインターの技術の粋を集めた手描きの美しさに、瑠璃と金彩の輝きが重なった至高のデザイン。「このプレートはクリスマスローズにシクラメン、八重桜。早春の庭がイメージね」など、季節の花の名を知っているとテーブルウェアの見え方も変わりますね。

まるでカフェ空間の「HARIO」。ナチュラルテイストのセッティングの中に展示されていたのは、「グリーン」がテーマの水出し茶テーブル(手前)と温かいお茶テーブル(奥)。耐熱ガラスとホウロウなどの異素材の組み合わせによる、モダンなお茶のおもてなしシーンを提案。

黒を背景に、カトラリーやナプキンリング、トレイやポットスタンドなど、ピューター(錫)の製品が引き立つ展示販売のブースは、欧米を中心にテーブルウェアをセレクトする「アトリエJunko」。木の実や枝葉、小動物などがかたどられ、まるでアクセサリーのような華やかさがあるテーブルウェアばかり。普段は長野県松本市を拠点にしている「アトリエJunko」の製品がずらりと並ぶイベントとあって、毎年リピーターも多く訪れる人気のブースです。

ドングリとオークの葉が持ち手になった木製のトレイや、円状に黄金の葉が重なったポットスタンド(鍋敷き)など、どの製品も自然のモチーフがアクセントになっています。
テーブルクロスやランチョンマットなど、テキスタイル製品が数多く並ぶ「川島織物セルコン」では、繊細なレースがあしらわれたテーブルクロスが人気。
ウィリアム・モリスの壁紙パターンでも人気の「いちご泥棒」が刺繍されたカフェカーテンも川島織物セルコンで。

会場内中央に2年連続でガーデンが出現

イギリスの暮らしをテーマにしたビジュアル誌『RSVP』とテーブルコーディネートとフラワーデザインを担当した「デザインチーム リビウ」による、花に囲まれたテーブルセッティング。

数々の食器やテーブルコーディネートの見本が並ぶ会場内に、コッツウォルド・ストーンの石組みによるファイヤーピットと季節の花が咲き誇る場所があります。スイセンやヒヤシンス、ミモザなど、生花の春の香り漂うガーデンの中には、パンジーやシクラメンなど鉢苗が並ぶ花のマルシェや、テーブルに花とお茶のセットが並ぶコーナーもあります。

プロデュースとデザインをつとめた竹谷仁志さん(左)とファイヤーピットの設営を行った神谷輝紀さん。

このセンターガーデンのプロデュースとデザインを行ったのは、ガーデンデザイナーの竹谷仁志さん。ガーデンのタイトルは「心満意足」。

「色合いは手前両側から奥へ、イエロー〜オレンジ〜ピンク、パープル、レッドとグラデーションになっています。そして樹高と草丈も同様に、手前から奥へと背が高くなり、限られたスペースながら奥行きを感じられるデザインです。また、中央奥は背の高い鉢の寄せ植え風切り花アレンジを飾り、右手にファイヤーピット、左手にガーデンパーティーの空間。左右を同様に配色・配植することで、一つの庭として一体感が出ます。日々の暮らしに欠かせない食器類の最新情報をキャッチしようと来場した人たちに、ぜひ本物のガーデンの雰囲気と花のある暮らしの豊かさに触れてほしいと、今回も力を入れ、センターガーデンを作成しました」。

食べられる花として近年登場し、人気の「エディブル ムーラン」。

この期間限定の空間づくりは、東京都花き振興協議会×花の国日本協議会×お花がかりという、切り花業界と鉢苗花業界のプロたち、そして竹谷さんのコラボによって実現しました。期間中は、このセンターガーデンを会場に、英国式ティータイムと花のトークショーやガーデンガイド、ハーバリウムのワークショップなども行われ、賑わいを見せていました。

■テーブルウェア・フェスティバル2018 ~暮らしを彩る器展~
期間:2月4日(日)~2月12日(月)(会期は終了しました)
会場:東京ドーム
住所:東京都文京区後楽1-3-61
時間:10:00~19:00
料金:前売券1800円、当日券2100円 ※小学生以下は無料(保護者同伴に限る)

Credit

写真&文/3and garden

ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。