ITが発達して便利になったはずの私たちの生活ですが、逆にあふれる情報に振り回され、昔よりも忙しくストレスフルな日々を送るようになったのではないでしょうか? 
そんな現代社会に生きる私たちを癒してくれるのが、植物が息づくヒーリングガーデンです。植物には、ストレスやイライラを緩和し、そこから来る不眠などの不快な症状を解消してくれる成分が含まれています。可憐で美しい植物を五感で愛でれば、メンタルも安定し、QOL(生活の質)を高めることができます。

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女子の強い味方!
ホルモンのアンバランスを整えて、イライラ、ウツウツを解消してくれるヒーリング効果の高い植物とは?

特に女性は月に一度の生理が来る前や、閉経前後の更年期はとかくメンタルが乱れがちですね。わけもなく悲しくなって涙が出たり、逆にイライラして人に当たってみたり。もちろん症状が深刻な場合は婦人科を受診することが必要ですが、セルフケアで改善できる範囲であれば、女性の味方として有名な植物をお試しいただきたいと思います。

ヒーリング効果の高い植物として有名なのはラベンダーです。現在では世界中で栽培されていますが、フランスはラベンダーの原産地として古くから有名で、7月の開花期になると生産者が花を収穫し、蒸留してラベンダーオイルをつくります。

今回は、そんなラベンダーのほかにもある、ヒーリング効果の高い植物をご紹介します。

クラリセージの効用を実体験

ラベンダーが開花する少し前の6月、ラベンダーより少し薄い紫色の花を咲かせるのが、今回オススメするクラリセージと呼ばれる芳香植物です。

クラリセージの花が満開の時期に、出張で行ったフランスで、あたり一面のクラリセージの放つ香りで、お酒に酔ったような感覚になったことを思い出します。畑でクラリセージの花を摘み、その花束を手にして車に乗ったら、仕事中である午前中にもかかわらず、不覚にも居眠りをしてしまったのです。それは、かなり深い眠りでした。

クラリセージの香りに高いヒーリング効果、鎮静効果があることを、身をもって体験しました。

クラリセージは、なぜヒーリング効果が高いのか?

では、クラリセージとはどのような植物なのでしょうか? 素性をご紹介します。

[英語名] Clary Sage
[学名] Salvia sclarea
[科目] シソ科

Claryは、「明るい」「清浄な」を意味するラテン語「Clarus」に由来するといわれています。中世にはクラリセージの種子から採った粘液を使って目を洗い、目の疾患を治療していたともいわれています。

クラリセージは花と葉を収穫し、水蒸気蒸留してエッセンシャルオイル(精油)を抽出します。クラリセージオイルの香りは、酢酸リナリルという鎮静効果を持つ成分が38%前後を占めており、これはラベンダーよりも高い鎮静効果を表しています。

またスクラレオールという、女性ホルモンの一種であるエストロゲンと似た構造を持つ成分を0.4%前後含んでおり、乱れた女性ホルモンを正常に戻してくれる効果があるといわれています。

クラリセージを使ってはいけない人

高いヒーリング効果、鎮静効果のあるクラリセージですが、オイルを使ってはいけない人がいますので、注意が必要です。

  • 妊娠中の方
    クラリセージには生理を促進する「通経作用」があるといわれていますので妊娠中の方は流産の原因となることも否定できません。特に妊娠初期〜中期の方はクラリセージの使用を控えるようにお願いいたします。逆に出産時には分娩を促進するとして、一部の産婦人科で積極的にクラリセージオイルが利用されています。
    私事ですが、長女の出産が微弱陣痛のため48時間痛みで苦しんだのですが、見かねた主治医(現さめじまボンディングクリニック院長、鮫島浩二先生)がクラリセージを使い、肩や腕をマッサージしてくださいました。それまで痛みによる緊張で体がガチガチで、それがかえって痛みを増幅していたのですが、クラリセージの香りとマッサージのタッチング効果でリラックスし、同時に「もう少し頑張ろう」という前向きな気持ちが出て、無事出産できたことを、昨日のことのように覚えています。
  • 運転中、またはお酒を飲む方
    高い鎮静効果を持つクラリセージは眠気を催したり、運転の感覚を乱す危険性がありますので注意が必要です。前述したように、私も車に持ち込んだクラリセージで朝から深い眠りに落ちてしまいました。
    また飲酒の際にもクラリセージは使わないほうがよいでしょう。16世紀のイギリスでは、ビール製造の際、ホップの代用品としてクラリセージが使われることがあったとのことで、そのビールで悪酔いする人が出たといわれています。

クラリセージはこのように使うと効果的

  • 芳香浴
    マグカップにお湯を入れ、そこにクラリセージオイルを1〜2滴落とします。湯気と一緒にクラリセージの香りがお部屋に広がります。または市販のディフューザーなどにクラリセージオイルを滴下したものをお部屋に置いてもよいでしょう。
  • アロマバス
    バスタブにお湯を張り、中にクラリセージオイルを2〜3滴落とし、よくかき混ぜて入浴します。
  • アロマトリートメント
    クラリセージオイルは直接肌に塗ることはできませんので、キャリアオイルと呼ばれる植物油で1〜3%に希釈して用います。

1. 芳香浴 マグカップにお湯を入れ、そこにクラリセージオイルを1〜2滴落とします。湯気と一緒にクラリセージの香りがお部屋に広がります。
または市販のディフューザーなどにクラリセージオイルを滴下したものをお部屋に置いても良いでしょう。
2. アロマバス バスタブにお湯をはり、中にクラリセージオイルを2〜3滴落とし、よくかき混ぜて入浴します。

3. アロマトリートメント クラリセージオイルは直接肌に塗る事はできませんので、キャリアオイルと呼ばれる植物油で1〜3%に希釈して用います。
写真クレジット)1/Marina VN  2/Cora Mueller  3/Elena Pavlovich  4/Decha Thapanya  4/Madeleine Steinbach  5/ colors /shutterstock.com

 

<注意点>

自然の恵みが詰まったハーブですが、妊娠中・授乳中の方、治療中の病気がある方、体質等の心配がある方は、使用できない種類もあります。使用する前に、かかりつけの医師にご相談ください。

また、ハーブは薬ではありません。健康状態が気になる方も医師にご相談ください。

Credit

文/川人紫

1994年より起業して、アロマセラピー用精油の輸入卸を開始。後にハイパープランツ株式会社として法人化。
1997年日本アロマセラピー学会初代事務局長に就任。
2013年より自治体と、地域の香りの機能性に関する共同研究を実践、
現在は地域の素材開発から商品化、販路開拓までのプロデュースを行っている。
熊本大学客員准教授(ソーシャルビジネス論)
筑波学院大学客員教授(セラピー論)
東京家政学院大学非常勤講師(アロマセラピー)

Photo/ 1/Marina VN  2/Cora Mueller  3/Elena Pavlovich  4/Decha Thapanya  4/Madeleine Steinbach  5/ colors /shutterstock.com

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